蒲団 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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本棚登録 : 40
レビュー : 12
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • 真面目というたら真面目、小心というたら小心だけれども、私はこういう方嫌いじゃないです(笑)。内面でなにを考えようとも、外面的にはそれなりに美貌の弟子の面倒を見てくれたわけですし。

    しかしお弟子さんのお父さんはよく娘が東京で文筆修行などするのを許したものですね。家柄であれば、女学校卒業したら速攻で見合い結婚させられそうなものですが。岡山弁に懐かしさを感じました。

  • すごく読みやすかったし内容も理解できた。
    からこそ、何とも言えない気持ちになった。

    中年(当時では)が女子大生に萌える気持ちもわかるい。
    残り香に(*´Д`)ハァハァする有名シーンでちょっと惹いた部分もある。
    でも、ある程度良識をもって、流石に手を出しちゃいかんよなー、理解ある保護者でなければなー、でも羨ましいなぁっていう葛藤の描写は感情移入?しやすかった。

    考察をネットで読んで、すべて実在のモデルが居るって知ったとき、(*´Д`)ハァハァしてる描写載せて公開する勇気ってすごいなって感心した。

  • 学生時代、受験対策として日本文学史に触れたが、実際に作品を手にすることは殆どなかった。先日読了した、米原万里の『打ちのめされるようなすごい本』の中に、多くの同級生が実際に読むことなく文学史を知識としてのみ覚えていた、とのくだりに触れ、少しずつ日本文学を読んでいこうと決意。はじめに田山花袋の『蒲団』を手に取った。
    主人公と同様、子持ち、中年、自分の『守備範囲』においてときめくことが少なくなった自分。職場などで接する女性(時に年齢は関係なく)に秘めて心惹かれるときがある。心の動き、最後の臭いを嗅ぐ場面、多くの人が共感してしまうのではなかろうか。
    飽く迄内に秘めたものである以上、それは個人の自由であろう。言動がその心を反映し、本人が不快に思えば今なら『セクハラ』という一言で断罪される。
    本書の場合、田山花袋の私小説であり、作中登場人物に対して実在のモデルがいることである。

  • ★じくじくした嫉妬心と恋情★はるか昔に教科書で概要を習ったが、初めて読んだ。中年男性作家が若い弟子に鬱々と惚れてしまうという今となってはシンプルな話だが、文章がこれほどきれいとは。有名な布団に顔をうずめる場面を極めてさらっと最後に置くところが、短編の切れ味を増している。男女間の出来事を「霊と肉」と分ける明治時代の感覚も改めて新鮮。

  • 文体はさすがかっちょいいなーって思ったけど、内容が……笑
    この露悪性が評価されたらしいですが、なんだかなあ。笑

  • 主人公の中年作家が「師として妻帯者として」と「一人の男として」の気持ちを右往左往する描写が面白かった。
    師としてわきまえなければいけないと語っていたかと思ったら、次の段落では激しい嫉妬に駆られていたりする。その振り幅と矛盾が、人間の気持ちとしてリアルな感じがして好き。

    それからキーワードとして「新派の女子」が興味深かった。
    女性でも学問を修めて小説家として起つことを良しとする風潮が、もうこの頃には起こりつつあったんだなあと驚き。
    それでも男女関係にはまだまだ保守的で、その点で郷里の親まで出てきて大揉めしてしまう辺りに、新時代の波に乗り切れない古臭さもあって、独特の雰囲気を感じた。

    …とかなんとか真面目に書いたけど、この『蒲団』がきっかけになって、後の世に私小説という名の変態暴露小説が流行することになったかと思うと、笑いとか驚愕とかいろんな意味で震える思いです。
    女の子の蒲団をクンカクンカするのはアウトだと思います先生。

  • 田山花袋作品は「少女病」に続き2作目なのだが、
    こういった男の妄想を描くのがうまい作家なのだろうか?
    他の作品も是非読んでみたいと思わせられた。

    妻子持ちの主人公が年の離れた若い女性・芳子に懸想する。
    芳子も自分に惹かれているのではないかと勘違いしたり、
    彼氏が出来たとわかれば嫉妬故悶々としたり、
    二人を引き離すことに成功すれば優越感に浸ってみたり。
    挙げ句彼女が処女ではないと分かった途端に
    手を出しておけば良かったと後悔したり。
    彼女のことを思って…なんて散々言っていながら、
    結局は自分のためという、自分可愛さ。
    同じ男として、読んでいて痛かった。

    芳子の蒲団や寝間着の匂いを嗅いだりというラストシーン。
    現代作家ならきっとそのまま射精するまで描いて
    しまいそうだけど、そうせずに余韻のある終わり方を
    させているというのが、その時代を表しているのかなと。

  • 退屈だなあ文章はすげえ美しいけど、と思って最後まで来て残り十数ページで一気に引き込まれた。ものすごい吸引力だった。求心力ともいえるのかね。それでまあその引力はそこに至るまでのあの退屈な数十ページがあってこそ発動するのだと思うわけだ、積み重なったどうということもない、日常、起伏や思い違いや苛立ちはあるけどただそれだけのやり過ごした日々、圧し殺した感情、その他、すべてが、すべてが土砂崩れ起こして決壊した柵を飲み込んでどうどうと流れ出すんだ。もうどこへもいけないのに。どこへも流れていく場所はないのに。主人公の涙はその土砂だろうかと思う。それを蒲団が全部すっていく。全部呑み込んでいく。いずれ乾くまで、いまはまだ溢れ出すまま。

  • 女々しい。だけど正直だな。

  • 田山花袋読んどかないとダメかなって思って読んだ。
    やっぱり古い人だから大変だろうと覚悟してたんだけど全然そんなことなくてあっさり。
    むしろあっさりしすぎて気の抜けた感じさえ否めなかった作品。

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