日清戦争異聞 (原田重吉の夢) [青空文庫]

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  • 前編と後編の主人公は同じなのに、主人公の印象がこうも違うのは……。過去の栄光に振り回され続けた阿呆な人という印象が最後まで残った。

  • 模範的軍人としてキャリアを重ねた後,日清戦争において,頽廃さを漂わせる中国兵を相手に果敢な突撃をして栄誉を手にした男が,その栄誉がもたらした華々しい生活を味わったがゆえに,元の堅実な道を外れて放蕩に走るようになる.自身の武勇伝を題材に,しかし実際よりも派手に脚色された演劇で本人役として登場し,喝采を浴びるも,彼の人生は凋落し続け,終いには手にしたものの一切を失い浮浪者となって,自身がかつて倒した中国兵と同様の姿を曝しながら死を迎える.
    欲のままに堕落した生を送ろうとする本来的な人間の性を「現実」とし,これと対比する形で,特に近代化に伴って日本にもたらされた,統率された軍隊とそれに付随する数多のモラルや文化による繁栄を「夢」としていると読める.禁欲的な勤勉さ・堅実さを守ろうとしていても,結局生来的な欲や執着に打ち克つことは困難であって,ゆくゆくは元の通りの堕落へと戻っていく,といったテーマか.

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著者プロフィール

一八八六年群馬県生まれ。詩人。一九一三年、北原白秋の雑誌『朱欒』に「みちゆき」ほか五編の詩を発表、作詩活動を始める。この頃、室生犀星の詩に感動して親交を結ぶ。犀星と一五年『卓上噴水』、一六年『感情』の詩誌を創刊。一七年第一詩集『月に吠える』を自費出版。他の著作にアフォリズム集『新しき欲情』、詩集『青猫』『純情小曲集』などがある。一九四二年没。

「2021年 『二魂一体の友』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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