この本のあらすじは、あるお婆さんの家の離れで暮らしている引っ込み思案な性分で、独りでいることのほうが好きな、物書きの一人の男が捨て犬を見つけて、その犬の眼が男には自分に訴えかけてきているように感じたので、この犬を飼うことにしようと家まで連れて帰ると、母屋のお婆さんに会い、その犬が妊娠していることが分かった。男は犬に「メリー」という名前を付けた。「退屈」が自分の友達だと誰とも一緒にいたくなく一人自由に生活していたのが、メリーと暮らすようになって、朝寝坊もしなくなり、人とも少しずつかかわるようになり、早起きをするなどと日常があらたまっていった。次第にメリーのことが大好きになって愛情が芽生えていった。メリーが来てから、母屋のお婆さんとも親しくなって、ときどきメリーの世話もしてもらうようになった。男は、メリーに産床をつくり、メリーは出産した。子供は5匹でメリーに似ていた。男はメリー達といるところを写真に撮ってもらい、自分が客観的に見たらこういう感じなのかと知り、その写真がずっと頭の中に残って離れなかった、という話です。
この本を読んでの感想は、独りでいることが好きで引っ込み思案だった男が一匹の捨て犬と出会って変わっていくっていうのがすごく興味深かったです。もとはひとりが大好きだったのに、突然拾った犬が妊娠していて、そのことを知ってもっと大切にしてあげるというのが本当はすごくいい人だったのだなと思いました。私も犬を飼っているのですが、この子が来てから私もほぼ毎日散歩したりするなど生活リズムが変わって、散歩途中にほかのワンちゃんの飼い主さんと話してみたりするようなことがあるので、犬がおうちに来ることで人の生活や性格も変わっていくというストーリーに共感もしました。人は何がきっかけで変わるかわからないものだなと思いました。このあとこの主人公がどのように、もっと変化していくのかと気になり、この本の続きをもっと読みたくなりました。