悪魔祈祷書 [青空文庫]

  • 青空文庫 (1998年11月10日発売)
  • 新字新仮名
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青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • 悪魔祈祷書
    『この悪魔の聖書では、旧約の処が「人類悪」の発達史みたいになっておりましてね。アダムとイブが、神様を信心し過ぎて肉慾を軽蔑している間は、子供が生まれなかった。』
    等の話なかなか面白い、ヒトラーのユダヤ人虐殺などの話知ったら何というかな----

  • 古臭さを全く感じない短編。
    夕立の中、立ち寄った古書店で、店主が話し始めたのは、聖書にしか見えないが中身はとんでもないことが書いてある「悪魔祈祷書」の話…。

    すっきりしたオチと、店主のテンポのいい語り口がとても読みやすい。悪魔祈祷書の中身のほうもなかなかしっかり語られていて興味深い。

  • 明治・大正の時代にこういったものが書けるなんて、やっぱり彼は数歩先をゆく人間なんだと思う。
    ひどい夕立の降る日、古書店で語られるひとと本にまつわるお話。雷鳴とどろくような祈祷書の話。
    神は悪魔の手先。見方を変えて考えれば、世界はその見せ方を簡単に変える。もしかしたらそれこそが悪魔的なのかもしれない。ひとりひとり見る世界の違う人間なんて、いとも簡単に誰もが「悪魔」になれるのかもしれない。
    夕立がすぐやむように、結末もあっという間で、奇妙なさわやかさが辺りに残るようなそんな印象を受けた。

  • さすが夢野とゆう雰囲気の文体。
    落ちはすこし弱いが展開はおもしろかった。

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著者プロフィール

1889(明治22)年〜1936(昭和11)年、福岡県福岡市生まれ。小説家。幼名は直樹。海若藍平、香倶土三鳥、杉山萠圓など複数の名義がある。祖父杉山三郎平の教育により弘道館記述義、四書五経、謡曲、仕舞を学ぶ。1915年、喜福寺にて出家し杉山泰道へ改名。1917年より雑誌『黒白』などにエッセイを寄稿しはじめる。1920年に九州日報社に入社。童話などを本紙に発表。1924年に一度退職するも、翌年に戻る。1926年に『新青年』で募集された懸賞に「あやかしの鼓」が二等で入選。文壇デビューを果たす。1929年『押絵の奇蹟』発表。1933年『氷の涯』発表。1935年『ドグラ・マグラ』が松柏館書店より刊行。1936年、脳溢血のため逝去。

「2025年 『怪夢 夢野久作 狂気ト理知ノ傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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