文士の生活 夏目漱石氏-収入-衣食住-娯楽-趣味-愛憎-日常生活-執筆の前後 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • タイトルのとおり、漱石先生が自らの収入・衣食住・娯楽・趣味その他についてつづった小文。

    明窓浄机を趣味とし、閑適を愛しながらも、「執筆や不動産で儲けているのでは」との噂に「儲けているなら、こんな汚い借家じゃないし・・・もっと明るく綺麗な家がいいし・・・でも、家族が多いから・・・」とぽそぽそつぶやく漱石先生。お金や住まい、好みを淡々とつづりながらも、何を書いてもすっとぼけたおかしみが漂う。丹念に手を入れた庭がご自慢のようだが、「手入れには庭師ひとりが来りゃあいいのに、なぜ若い衆まで連れてくる!金がかさんで仕方がない」とため息もつく。ペン一本で所帯を養う先生の気苦労がそこここにじんで、なんだか笑ってしまう。いや、笑ってはいかんのだけど。

    創作の秘密などは皆無ですが、漱石先生基本データとして、地味に楽しゅうございます。

  • 夏目漱石に限らないが、普段から文学とは程遠い生活を送ってきた私にとって、「教科書に載っていた人」以上の印象はなく、作品すらまともに読んだ覚えがないのだから、その人柄に触れたのはこの本が初めてである。
    読むと、漱石の感性になんとも親しみの湧く思いがした。
    偉大な文豪であっても、身の周りの好み一つ一つは私のようなイチ庶民でも共感できるものなのかと、驚きでもあった。
    これから襟を正して、漱石の世界に触れていってみようと思う。

  • 吾輩は猫であるの初版は千部。馬琴やポーも鑑みるに文章だけで食ってける人もいるって世の中になったのはほんと戦後以降からなんじゃないかな。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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