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感想・レビュー・書評
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「詩とは何であるか」を徹底的に考究する内容.前半で,詩を詩たらしめる内容的側面について考察した後,これを踏まえて,詩を詩たらしめる形式とはどういったものであるかを探っていく.
正直,萩原氏の詩作品に全く触れたことが無く,また近代の日本文学にもそれほど明るくない状態で読んだのは,些か手落ちだったかもしれない.本人は当時の自然主義文学と呼ばれるものに対して,かなり強硬に否定的な態度を示していて,それが随所に現れる.また,後半の形式に関する議論では,些か思い込みで論を進めてしまっているところがあるようにも見受けられた.少なくとも漢文・漢詩及び,それによって記述された種々の文書が,大陸から日本の芸術・思想にもたらした影響というのは無視できないように思われるのだが,氏はこの点について殆ど言及していない.しかし一方で,詩という芸術の本質を考えるにあたっては,先人の業績にも触れつつ慎重にその真理を探っており,詩の本質とは何であるか,という点に関する考察としては,一読に値するものであると考える.詳細をみるコメント0件をすべて表示
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萩原朔太郎の作品





