詩の原理 [青空文庫]

  • 青空文庫 (2007年4月1日発売)
  • 新字新仮名
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  • 「詩とは何であるか」を徹底的に考究する内容.前半で,詩を詩たらしめる内容的側面について考察した後,これを踏まえて,詩を詩たらしめる形式とはどういったものであるかを探っていく.
    正直,萩原氏の詩作品に全く触れたことが無く,また近代の日本文学にもそれほど明るくない状態で読んだのは,些か手落ちだったかもしれない.本人は当時の自然主義文学と呼ばれるものに対して,かなり強硬に否定的な態度を示していて,それが随所に現れる.また,後半の形式に関する議論では,些か思い込みで論を進めてしまっているところがあるようにも見受けられた.少なくとも漢文・漢詩及び,それによって記述された種々の文書が,大陸から日本の芸術・思想にもたらした影響というのは無視できないように思われるのだが,氏はこの点について殆ど言及していない.しかし一方で,詩という芸術の本質を考えるにあたっては,先人の業績にも触れつつ慎重にその真理を探っており,詩の本質とは何であるか,という点に関する考察としては,一読に値するものであると考える.

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著者プロフィール

萩原朔太郎
1886(明治19)年11月1日群馬県前橋市生まれ。父は開業医。旧制前橋中学時代より短歌で活躍。旧制第五、第六高等学校いずれも中退。上京し慶応大学予科に入学するが半年で退学。マンドリン、ギターを愛好し音楽家を志ざす。挫折し前橋に帰郷した1913年、北原白秋主宰の詩歌誌『朱欒』で詩壇デビュー。同誌の新進詩人・室生犀星と生涯にわたる親交を結ぶ。山村暮鳥を加え人魚詩社を結成、機関誌『卓上噴水』を発行。1916年、犀星と詩誌『感情』を創刊。1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立する。1925年上京し、東京に定住。詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。1942年5月11日没。

「2022年 『詩人はすべて宿命である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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