城崎を憶ふ [青空文庫]

  • 青空文庫 (2002年5月20日発売)
  • 旧字旧仮名
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 1
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 城崎文学館で泉鏡花も城崎について書いていることを知り、青空文庫で落として旅館で読む。
    雨の城崎駅から俥に乗って旅館に行くまでの描写が美しくてさすが鏡花。
    でも、途中から調子が変わる。朝食のメニューについて、
    「大な蛤(はまぐり)、十ばかり。(註、ほんたうは三個)」
    と書いたり、洗濯をしている若い娘に見とれて足を踏み外しそうになったり、となかなかお茶目。

    鏡花ってむせかえるような美文すぎて苦手だったんだけど、こういうお茶目な面もあったのね。もう一度鏡花、挑戦してみようかな。

    • 深川夏眠さん
      お邪魔しま~す。
      この作品は未読ですが、
      鏡花は神経質かつ健康を害しやすかった一方で「食」に対するこだわりが強かったそうで、
      食い意地...
      お邪魔しま~す。
      この作品は未読ですが、
      鏡花は神経質かつ健康を害しやすかった一方で「食」に対するこだわりが強かったそうで、
      食い意地の滲み出た文章が散見されるところがかわいくて、
      そんなところも好きです。
      「高野聖」では駅弁のちらし鮨が淋しい内容だからと

      >(やあ。人参と干瓢ばかりだ。)と粗忽ッかしく絶叫した。

      とか、「眉かくしの霊」では

      > 汁(したじ)がぽっちり、饂飩は白く乾いていた。

      だとか、実体験でもあるのか恨み節が冴えています(笑)
      城崎文学館、いつか行ってみたいです。
      2013/08/21
    • chabu-daiさん
      夏眠さんありがとうございます。
      情景描写などは本当に幻想的なのに、食べ物になるととたんにリアルになる、のはなんとも。
      城崎文学館、わざわざ行...
      夏眠さんありがとうございます。
      情景描写などは本当に幻想的なのに、食べ物になるととたんにリアルになる、のはなんとも。
      城崎文学館、わざわざ行くにほどではないですが、城崎温泉は情緒ある温泉街なのでぜひ。イモリはいませんけど。
      2013/08/23
全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

(いずみ・きょうか)
1873年金沢市生まれ。1893年、「京都日出新聞」の「冠弥左衛門」連載でデビュー。主要な作品に、「義血侠血」(1894)、「夜行巡査」(1895)、「外科室」(1895)、「照葉狂言」(1896)、「高野聖」(1900)、「婦系図」(1907)、「歌行燈」(1910)、「天守物語」(1917)などがある。1939年没。近年の選集に、『泉鏡花集成』(ちくま文庫、全14巻、1995-1997)、『鏡花幻想譚』(河出書房新社、全4巻、1995)、『新編 泉鏡花集』(岩波書店、全10巻+別巻2、2003-2005)、『泉鏡花セレクション』(国書刊行会、全4巻、2019-2020)など、文庫に『外科室・天守物語』(新潮文庫、2023)、『高野聖・眉かくしの霊』、『日本橋』(ともに岩波文庫、2023)、『龍潭譚/白鬼女物語 鏡花怪異小品集』(平凡社ライブラリー、2023)などがある。

「2024年 『泉鏡花きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

泉鏡花の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×