クリトン [青空文庫]

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感想・レビュー・書評

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  • 何故か早く目が覚めた朝、何故か青空文庫からこの本をダウンロードした。

    死刑が執行される前のソクラテスに弟子(友人)のクリトンが牢屋に来て、逃げようと提案するが、ソクラテスは国家の法に従うため断る、という内容。
    最初は懸命に説得するクリトンに対し硬い意思のソクラテスは理をもって断る。
    最後はクリトンは悲しくも説得を諦める。
    クリトンの悲しい諦めが痛いほど伝わってきた。

    ソクラテスは相手に質問をする。
    相手は反対の意見を持っているのに答えながらも、やがてソクラテスの意見に同意することになってしまう。
    紀元前300〜400年も前にこの様な本が出来たことは奇跡だと思った。

    古今東西、多くの人々がこの本を尊敬を以って再読し各自の思考を深めてきた。
    しかし、その様なレビューばかりではつまらないので、この様な感想はいかがか?
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    ソクラテスは自分に有利な前提条件を設定し、コーチングの質問テクニックを使って自分の考えに誘導していた、とも言えるのではないかっ?!
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    「無知の知」をもっと味わってみようと思った。

    <<追記>>
    国家の法に従うという考え方は、どこかの国や企業が国民や社員を従わせよう、と大いに参考に使ったかも知れない。
    また、どこかで、
    「国家の法は小義で、ソクラテスが逃げて生き延び更に哲学を発展させることが大義だった。
    だからソクラテスは逃げるべきだった。」
    などという議論は無かったのかも気になる。

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著者プロフィール

山口大学教授
1961年 大阪府生まれ
1991年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
2010年 山口大学講師、助教授を経て現職

主な著訳書
『イリソスのほとり──藤澤令夫先生献呈論文集』(共著、世界思想社)
マーク・L・マックフェラン『ソクラテスの宗教』(共訳、法政大学出版局)
アルビノス他『プラトン哲学入門』(共訳、京都大学学術出版会)

「2018年 『パイドロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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