髯籠の話 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字旧仮名
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  • ビックリするほど意味が分からなくて狼狽えた。事前に要点を説明している文章を読んでいるにも関わらず、文章の帰結がどこに行くのかまったく分からない。考えながら書くのをやめなさい!!と思った。

    五章の一節が面白い。
    神にそなえる供物の話。
    「諸神殺戮の身代わりとして殺した生物を、当体の神の御覧に供えるというところに犠牲の本意があるのではなかろうか」と言ってて、つまり、殺したい神というのがいて、その身代わりに動物を殺すんだけど、殺した動物をその神に見せる、というのが犠牲の本意だと言っている。「けれども殺すべき神を生しておいて、人なり動物なりをもってこれに代るということは、天梯立のとだえたことを示すもので、従来親愛と尊敬との極致を現してきた殺戮を、冒瀆・残虐と考えだしたのは、そもそもすでに神人交感の阻隔しはじめたからのことである。」

    親愛と尊敬との極致に殺戮があるというところもよく分からないし、殺すべき神というのもよく分からないんだけど、とにかくなんとなくワクワクさせられる文章。


    でもなぜそんなことが言い出せるのかよく分からない。こういうことがあれば面白いけどね、という感じがする。

    折口の論をどこまで信頼するのか、という話だが、まぁアイデアの一つとして捉えて、論証は自分で行うのがよいのかな、と考えた。

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著者プロフィール

1887年生。歌人、国文学者、民俗学者。著書に『古代研究』『死者の書』など。1953年没。

「2022年 『沖縄文化論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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