嫉みの話 [青空文庫]

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  • 青空文庫
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  • この作品は随筆のジャンルで「嫉妬」という感情について深く考察し、時代背景と共に変化していく様を分かりやすく説明したものである。「嫉妬」とは本来、女性のみが持ち得る感情であり、男性も嫉妬するということが数々の文学作品で描かれるようになったのはごく近年のことらしい。
    私は古くから男性も女性も当たり前に嫉妬心を持っているものだと思っていたので、折口信夫氏の作品を読んで、こんなところにも無意識の性差があることに驚いた。しかし、男性でも女性と似たような感情を持つ者は必ず存在し、それは「へんねし」という言葉で表されていた。へんねしとは、元々京都の方言で、嫉妬によく似ているが、若干意味合いが変わり「拗ねる」「意固地な」という意味が加わる。嫉妬ほど生々しいものではなく、からかいに使われるような言葉に捉えられそうである。
    このことから、私は現代においても「女性のみの職場」「女子校」などというとあまりポジティブなイメージを持たれないことの背景には、こういった「嫉妬」の感情は古くから女性のみが持つものだという固定観念が年月を経るごとに形を変え、現代にも生きているからではないだろうかと考えた。
    この作品は一つの感情を表す言葉から時代背景や意味を明確にしており、読み手側も自然と疑問が生まれる作品であるように思う。

  • 「嫉妬というものが男の間にもあると考えたのはごく近代のことで、女だけがもっているものと長く考えてきている。」ということから、後妻うちや、一定の年齢になったら妻を退くことなどの結婚話に話が広がっている。

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著者プロフィール

1887年生。歌人、国文学者、民俗学者。著書に『古代研究』『死者の書』など。1953年没。

「2022年 『沖縄文化論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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