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感想・レビュー・書評
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作品名: トロッコ
作品名読み: トロッコ
著者名: 芥川 竜之介
小田原熱海間での軽便鉄道の敷設工事の中で、少年良平と現場の土工との交友。
少年のトロッコでの冒険とその顛末とは?
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card43016.html
底本データ
底本: 蜘蛛の糸・杜子春
出版社: 新潮文庫、新潮社
初版発行日: 1968(昭和43)年11月15日、1984(昭和59)年12月25日38刷改版
入力に使用: 1989(平成元)年5月30日46刷
校正に使用: 1988(昭和63)年5月25日45刷
24頁詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この土工どもの酷さときたら、なかなかにナイス。あまりに酷いので、もうちびっ子の頑張りっぷりとか霞むレベル。でもこういう経験って自分の記憶の片隅にもあるかもっていうノスタルジア。
そしてちびっこも頑張った。
トロッコに乗りたいという気持ちも分かる。なんか楽しげだよね。
というわけで、いろいろと、分かるわぁ、ってなったわよ。 -
子どものころは「主人公の日記かな」程度にしか思わず話をまったく理解できなかったけれど、春から新社会人となり、これから「大人の世界」の一員となる今の自分が読むとまったく違うものが見えるようになる。
「トロッコに関わること」は大人の世界と関わることの隠喩と見れる。
最初に怒ってきた人は「大人の話に子どもが首を突っ込むべからず。」という大人のあり方の一つだろう。
一緒にトロッコで進んだ人は「大人も子どもも大差ない。話に混じってもいいけど自己責任だよ。」という大人のあり方だろう。
「大人の世界」の一員となるにつれてトロッコに乗せてくれる人が多くなったことで自由の無限の可能性を得られた。しかしその一方で、常に自力で帰るしかないプレッシャーや険しい帰り道に悩まされることも経験するようになった。
そんな帰り道にあたった際にトロッコの存在を思い出す。 -
西川美和の著書で紹介されていたのを改めて読んだ。
なんでもないことが子供には浪漫になるし冒険になる。
自分にもこんな経験があったような気がした。 -
こういうの誰しも少なからず経験にありますね。こういう細やかな心情を文章化できることに感嘆。
芥川竜之介の作品





