安吾巷談 01 麻薬・自殺・宗教 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • 主に中毒・依存に焦点を絞り、戦後日本人の心理を包み隠さず描いている。まさに狂乱の時代であり、人々は何かに中毒・依存せねばやってられなかったのだろう、宗教然り、薬物然り。

     しかし、戦後日本だけでなくても、ここに描かれていることになんらかの普遍性が有ることを感ぜずにはいられなかった。今、2019年2月の日本は、いつ戦後のような狂乱の時代に突入してもおかしくはないほど不安定であり、したがってここに描かれている内容に共感できる現代人も多いであろう。
     宗教・薬物はその身を潜めているが、今の大企業なんてのも、ほとんど宗教である。社長は教祖であり、社員は信者。野球に関しては、今も昔も同じであるが、ソレに加え、インターネットを筆頭にSNS・テレビゲーム等の、中毒者が続出するメディアが続々生まれてきた。現代人には立ち止まって、周りを見れるほどの余裕がなくなっている。

    「美とは何ぞや、ということが分ると、精神病は相当抑えることができる」
    この一文に、氏の一種の真理を読み取った。現代においても、これが分っていない人間が多い、多すぎる。

  • 初めの方のヒロポンの話は、ただ、へぇーという感じだったが、途中、睡眠薬の話になってから、俄然面白くなった。

    依存とか中毒の話に限定しても十分面白いのだが、集団心理とか、友達についてとか、含蓄溢れまくり(^^)。

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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