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青空文庫 ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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昨日が土用の牛ということで、岡本綺堂の鰻の小説を読む。
綺堂によると「昔から鰻の怪を説いたものは多い」とのこと。(「魚妖」)
「魚妖」のほうは、大鰻を殺して呪われる、という話。
夜中に生簀(いけす)をのぞくと
「沢山のうなぎは蛇のやうに頭をあげて、一度にかれを睨んだ。」
とか、焼いた大鰻が死体を焼いたような匂い、となんともゾッとするがわかりやすい怪談。
一方、こちらの「鰻に呪われた男」は、綺堂らしいオチのない宙ぶらりんなイヤーな感じはあるが、「生の鰻を食べる」という生理的な気持ち悪さの怖さである。
決して、細かい描写があるわけでないが、男が釣った鰻をそのままむしゃむしゃ食べる、これだけで怖い。本当に怖い。
最後は、
「別に奇談でもなく、怪談でもなく、単にわたくしがそういう変態の夫を持ったというに過ぎないことになるのでございますが…、」
と異嗜性(いしせい)のため、としているけど、やっぱり怖い。
鰻といえば映画「ブリキの太鼓」も強烈。海から引き上げた馬の頭(牛?)の眼孔やら口からデロデロと鰻が出てくるシーン、これにはゾッとした。
ちなみに鰻は蒲焼よりも白焼き。関東風より関西風。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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