哲学はどう学んでゆくか [青空文庫]

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  • 青空文庫リーダーのランダム表示機能でたまたま出てきたので一読する。
    言葉遣いに若干とまどうところもあったが、古くささを感じさせず、哲学を学ぶときの基本的な姿勢が明瞭に書かれているように思う。「学ぶ」とあるが、おそらく大学でアカデミックに哲学をする人、つまり論文執筆など著述活動をする人を念頭においている気はする。

    短い随筆なのですぐに読めるが、話の要点をまとめてみた。

    (1) 読むなら概説書より古典
     概説書で学説を広く学ぶことも大事だが、古典をじっくり読んで哲学的なものの考え方を学ぶことから始めるべきとある。

    (2) 自然科学や社会科学のつながりを無視しない
     哲学は抽象的な思考だが具体的なものごとに携わる学問と地続きなので、生物学でも心理学でも自分の関心のある分野に目を向けて勉強しておく。

    (3) 自分の人生経験から出発すべし
     哲学は人生観や世界観を与えるもの。自分の経験を通じて感じた人生の問題と哲学的思考を切り離さず、出発点とすること。

    (4) 論理学を勉強する
     哲学の思考は明晰で、ものごとを適切に分析している必要がある。そのためには論理学を学ぶべき。
    (といっても挙げられているのはアリストテレスの『形而上学』やカントの『純粋理性批判』だったりするが)

    (5) 哲学史に学ぶ
     現代の問題意識をもちつつ歴史に学びなさい、という趣旨。


    思考に磨きをかける作業として哲学をとらえていたり、学際性を強調するなど、現代でもよく言われることが言及されている。「常識にとどまるだけの哲学では意味がない」という主張をヘーゲルと結びつけて語る箇所もなかなか新鮮である(分析哲学ではヘーゲルの背景抜きに類似した主張を耳にすることがあるため)。

    三木清のまとまった著作を読んでみたくなった。

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著者プロフィール

1897年、兵庫県生まれ。京都帝国大学哲学科卒。ドイツ留学を経て法政大学教授等を務めるが、1930年に法政大学を辞してからはジャーナリズムで活躍。1945年3月に検挙・拘留され、敗戦40日後の9月に獄死。享年48歳。著作は『三木清全集』全二十巻(岩波書店)にまとめられているほか、『人生論ノート』(新潮文庫)、『読書と人生』(講談社文芸文庫)などは文庫化されている。

「2017年 『三木清遺稿「親鸞」 死と伝統について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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