海異志 [青空文庫]

  • 青空文庫 (2009年9月10日発売)
  • 新字旧仮名
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感想・レビュー・書評

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  • この物語はテンポが良かったが、昔の言葉で書かれていたので、初見はとても読みにくいと思う。しかし、主人公の気持ちだけではなく、周りの風や草木のはなしなどが詳しく書かれていたので想像がしやすかった。わたしが注目した一説は、「小母さん、それでは俺がお高さんを殺したのか、」という部分である。わたしがこの作品を読んだ時、1番驚いた一節である。なぜかというと源吉は殺したことを覚えていないからだ。最初はただとぼけているのかと思ったが、もし自分なら殺した人の親がいたら逃げると思うし、ましてや話したりはしない。なのでわたしも源吉が言っている通りほんとに覚えてないのだと思う。調べてみると心身喪失という精神疾患が出てきた。その病気ではないかと思う。人を愛するあまり自制ができなくなって、人を殺してしまうのはとても残酷だなと思う。また、自分が殺した事実に気づいたらきっと源吉の同じ決断を下したと思う。昔の時代だからこそ愛よりお金が大事という思考の残酷さを示しているのだと考えた。

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著者プロフィール

1880-1941。高知県出身の伝記作家、怪談文芸の大家。代表作に『日本怪談全集』など。

「2023年 『日本怪談実話〈全〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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