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- 青空文庫 ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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「怪談会」で、医師のM氏が語った不思議な事件。
そもそも「怪談会」という場が面白い。
知識階級の高尚な集まりといったところか。
中でも語り手の医師のM氏という人がすごい。
「こうして、白髪の生えかかった今でも、怪談や探偵小説が好きですから、ましてその頃は至って冒険的精神に富んで居りました。似たもの夫婦とでも言いますのか妻が又大の冒険家で、いっそ二人で映画俳優にでもなろうかと相談しあったことさえありましたが」
……天は二物も三物も与えた。
医師でありながらミステリーと冒険が好きで、趣味を同じくする美人の奥さんまで得ている。
当時の医師はエリートであり立身出世の勝ち組だから、本気で取り掛かれば何でも一流の域に達することができた。
これは作者の小酒井不木を反映しているのだろう。
(それに比べて私は……)
この医師のM氏、橋本五郎『地図にない街』に登場する七尾医師と双璧の医師探偵というかピカレスク医師ではないでしょうか。
■[速読読書]都市伝説的奇談『地図にない街』(ネタばらし注意!)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20081223/p1
それにしても、性病が夫から妻に移った場合、夫は表面上何にもないのに、妻だけが「お岩そっくりの相好」になるものでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160524/p1詳細をみるコメント0件をすべて表示
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著者プロフィール
小酒井不木の作品





