歌のいろ/\ [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 旧字旧仮名
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  • ほんとうにこの石川啄木というひとは、歌を詠もうとして歌を書いたのではないというのが感じられる。どうも自分が考えるものというのが、歌にならざるをえないのだ。貧しかろうと、どんなに疎まれようと、おそらく彼は歌を詠み続けるのだと思う。
    それだからこそ、誰よりも人一倍、ことばというものに対して驚きを持っている。彼には、そうとしか言いようのないものたちが彼に迫ってくるのだ。それを彼は眼を大きくして正面から立ち向かいたいのだ。ことば以前に立ち返ろうとする、リルケにも似たその姿勢。そんな情熱を前にしてしまうと、自分の吐き出すことばが、いかに死んだものであるか、
    玩具にすぎないか、彼はそんなかなしみの中を生きている。それでも書かずにおれない、彼自身がもう歌になっている。
    彼にとっては生きた歌以外に歌とは思われない。ちょうど、死体を生きたひとと思わぬように。

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