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感想・レビュー・書評
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小泉八雲 Lafcadio Hearn
1877年の西南戦争時でのことか。
車夫の思い出が凄まじい。
「 ・・・ (略) ・・・ 町が焼けるのを見とった。
・・・ そしたら馬の蹄の音が聞こえてきた。馬に乗った士官が一人---
あたりを見回しながら、速歩しでやって来たとです。」
略
「男たちは大きな笠の下から士官を窺ったが、振り向かんかった。----
みんな川の中をのぞき込んでいる振りをしておった。ところが馬が
橋にさしかかったその瞬間、男たちは振り向きざま、躍りかかった----
一人が馬の轡を捉え、もう一人が士官の腕を掴み、三人目が首を刎ねた----目にも止まらぬ手並みだった....。」
「士官の首ですか?」
「ええ----切り落とされる前に叫び声を上げる暇もなかった・・・。あんな
早業を見たのは生まれて初めてでした。三人の誰も一声も出さんかった。」
幕末の緊張した雰囲気がすごく伝わってくる。
たった130年ほど前の日本。
今の日本に、少なくてもそういった緊張感はない。
幸せなことであろうが、精神の弛緩という感覚は否めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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