橋の上で [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • 小泉八雲 Lafcadio Hearn

    1877年の西南戦争時でのことか。
    車夫の思い出が凄まじい。

    「 ・・・ (略) ・・・ 町が焼けるのを見とった。
     ・・・ そしたら馬の蹄の音が聞こえてきた。馬に乗った士官が一人---
    あたりを見回しながら、速歩しでやって来たとです。」


    「男たちは大きな笠の下から士官を窺ったが、振り向かんかった。----
    みんな川の中をのぞき込んでいる振りをしておった。ところが馬が
    橋にさしかかったその瞬間、男たちは振り向きざま、躍りかかった----
    一人が馬の轡を捉え、もう一人が士官の腕を掴み、三人目が首を刎ねた----目にも止まらぬ手並みだった....。」
    「士官の首ですか?」
    「ええ----切り落とされる前に叫び声を上げる暇もなかった・・・。あんな
    早業を見たのは生まれて初めてでした。三人の誰も一声も出さんかった。」

    幕末の緊張した雰囲気がすごく伝わってくる。
    たった130年ほど前の日本。
    今の日本に、少なくてもそういった緊張感はない。
    幸せなことであろうが、精神の弛緩という感覚は否めない。

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著者プロフィール

1951年生まれ
1980年 九州大学大学院法学研究科修了
1982年 大分大学経済学部助教授
1985年 北海道大学法学部助教授
1988~90年 イェール大学ロー・スクール客員研究員
1991年 北海道大学法学部教授
現在 北海道大学大学院法学研究科特任教授

主 著
『《法と経済学》の法理論』北海道大学図書刊行会,1996年
『法と経済学――新しい知的テリトリー(法学の泉)』信山社,1997年


「2015年 『≪法と文学≫の法理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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