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感想・レビュー・書評
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浪人生の苦悩を吐き出した名作。
当時の一高生は、今の東大生以上に高いステータスを有していた。そこを出れば、輝ける将来が確実にあった。受験生が殺到したのは自然の成り行きだろう。熾烈な受験戦争であった。受験生にかかるプレッシャーは相当なものであったろう(清水義範先生の『学問ノススメ』と比べると、その深刻さが浮き彫りになる)。
もちろん深刻な話ばかりじゃない。浪人仲間との「受験あるある」トークは、ついついうなずいてしまう。勉強してない仲間を見下しつつ、優越感に浸る様子にはドキッとしてしまう。ピュアで奥手な恋愛シーンにやきもきする。こういった細々としたエピソードも含めて、受験生(浪人生)の心情を克明に描いている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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