はつ恋 [青空文庫]

  • 青空文庫
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  • この物語は、ウラジミールという男性の初恋を描いたものです。
    初恋の相手は、隣に越してきたジナイーダという貴族の娘。ただ、ジナイーダはコケティッシュな振る舞いを見せる少女で、彼女に惚れた多くの男性たちを家に集めてはいいように扱って楽しむような、そんな女性でした。
    ウラジミールも彼女にオモチャのように使われ、ある時には私を愛してるなら高い塀の上から飛び降りなさい、と命じられます。
    彼は躊躇することなくその言葉に従いますが、その後どうして飛び降りたりしたの?と聞かれるのです。
    しかし、ジナイーダと共に時間を過ごすことができるということは、ウラジミールにとって大変喜ばしいものでした。
    彼は、時に懊悩しながらも輝かしい日々を過ごしますが、ある日状況は急転します。
    ウラジミールはジナイーダの明らかにおかしい様子を見て、彼女は恋をしていると直感したのです。
    ここから彼の苦しみが始まります。
    彼女に惚れた崇拝者たちを見ては疑心暗鬼になり、悶える日々です。
    なんとか証拠を掴もうとウラジミールがジナイーダの家を見張ると、遂に相手が判明しました。
    その相手とはウラジミールが尊敬してやまない父その人だったのです。
    やがてウラジミール一家は引っ越しを迫られます。
    ウラジミールはジナイーダとの別れの日に「例え貴女が何をしようとも僕は貴女を尊敬し、永遠に愛します。」と告げ、彼女と離れ離れになりました。
    しかしその後、引っ越し先の街でもジナイーダと父の密会をウラジミールは発見してしまいます。ジナイーダが追いかけてきたのです。
    そして、父は別れを告げジナイーダのことを鞭で打ちます。
    あのジナイーダにこんなことができる男がいることに、そしてあの誇り高いジナイーダがそんなことを許してしまうことに、愛する人にならば鞭を打たれても全く平気なことに、ウラジミールは大きな衝撃を受けます。
    これが恋というものなのかと。
    それから暫くして父は急な病で他界し、あれから他家へ嫁いだジナイーダもまた、他界したとウラジミールは知らされます。
    そしてウラジミールはというと、ジナイーダとの約束を果たし、ジナイーダ以外の誰かを愛することもなく大人になっています。
    何も得られなかったものの確かに充実していたあの青春の日々に思いを馳せながらも、最後ウラジミールは自分、父、ジナイーダのために祈りを捧げ、そこで物語は終了します。
    この作品のテーマは自己犠牲だと考えます。
    青春や希望、愛、何も得られないと分かってはいても自分の愛を好きな人に熱狂的なまでに注ぐ、という自己犠牲です。
    そしてそれは何も得られないにも関わらず、儚くも美しい輝きを放っていると言えます。
    そしてその様子は主人公の躊躇のない飛び降りやその後に人生で輝かしい瞬間だったと振り返っている場面に、妻子ある父に誇り高いジナイーダが未来を投げ打ってまで恋をし、諦めずに追いかけた場面にも見ることができます

  • 色々な感情が瑞々しく書かれていてとても読みやすい。
    過ぎた時間は戻らず、我々が憧れるロマンスのような巡り合わせも望むことができない現実を突きつけられる結末はとても切ない。
    主人公の初恋の経験が輝きに満ちた記憶として強調されているように思えた。

  • 若い時に読んでいたかもしれないが、意識してロシア文学を読んだのは始めてだ。「青春」の一幕としての評もある作品らしいけど、正直言うと、微妙な感想に困る内容だった。定番の一つとも言えるので、時代背景とかをもう少し勉強しないとな。

  • 若い頃に読まないと意味がない話かな.
    主人公の16歳の少年,お姉様,さらに取り巻きに,大人,いろいろと年の差があるが年の功(?)もあるというものか.

  • 親子丼な話、ってまとめでよろしいでしょうか(笑

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