陰翳礼讃 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想・レビュー・書評

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  • 陰翳の美に関して、最近感じたことの中にこれと通じるものがある気がする。日本の山野というのは、深く草木に覆われているのが常であって、ちょっとの先の風景も見通しづらく、また日が照っているときでもその陰は濃くて暗い。この草木の闇の中に、得体の知れない恐怖や神秘を覚える神経というのは、日本にあっては割と昔から日常的にあったのではないかと思う。

    あー、読んでいて「陰翳」の憧れががっちり植えつけられた感じがする。日常的生活空間としては分からないけど、別荘とかなら本格的な日本家屋いいなあ。あと柿の葉寿司食べたい。

  • 言わずと知れた文豪の名随筆。読む前は、もっと暗く湿った感じの文章を勝手に想像していたけれど、意外(?)に普通の感性の文章だ。雪隠の美学は理解できなかったが、羊羹や赤味噌の話は大いに共感できる。多様な価値観が溢れる今の時代において、この文章がどれだけの意味を持つのかは、やや疑問だが、ひょっとして、現代の我々が持っている、ややステレオタイプ的な、和洋の対比軸や文明発達批評の嚆矢だったのかもしれないな。
    そんな中で、無条件に納得できる一節があったので引いておく。
    《何処の国でも老人は同じようなことを云うものだと感心したが、人間は年を取るに従い、何事に依らず今よりは昔の方がよかったと思い込むものであるらしい。》

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著者プロフィール

1886-1965。東京生まれ。『刺青』などが永井荷風に激賞され、文壇での地位を確立。作品に『吉野葛』『春琴抄』『陰翳礼讃』『細雪』『鍵』、現代語訳『源氏物語』など。1949年文化勲章。

「2021年 『にっこり、洋食 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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