- 青空文庫 ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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物語の語り手である「私」はD坂の大通りにある白梅軒(はくばいけん)という喫茶店で向かいの通りの古本屋を眺めていた。古本屋の店主の妻は官能的な美人として有名であったが、店が開いているのに関わらず、彼女も店主も姿を見せなかった。そこに「私」と同じく白梅軒の常連であり、探偵小説好きとして馬の合った明智小五郎がやってくる。古本屋の様子を怪訝に思った二人が、喫茶店を出て古本屋へ向かうと、店の奥で店主の妻の死体を発見する。しかし、その後の警察による捜査の結果、その部屋は密室だったことが判明する。「私」は自身の推理から明智小五郎が犯人ではないのか、と疑うが、それを聞いた明智小五郎は笑って、自身の推理を披露し、それによって事件は解決する。
ミステリー好き以外にもよく名の知れた江戸川乱歩の短編の一つ、D坂の殺人事件は明智小五郎が登場した作品でもある。明智小五郎と言えば、横溝正史の「金田一耕助」や高木彬光の「神津恭介」と並び、日本三大探偵として名を挙げられるほか、世界一有名な探偵の一人、シャーロック・ホームズにちなんで、「日本のシャーロック・ホームズ」と呼ばれることもある名探偵である。
少年探偵団シリーズの明智小五郎と本作の明智小五郎を読み比べるのもとても面白い。 -
主人公の私は、白梅軒というカフェで冷やしコーヒーを啜っていた。
そこで知り合った妙な男・明智小五郎と名乗る男の幼馴染が、
丁度真向いにある古本屋の女房になっていることを知る。
古本屋を二人で尋ねると、店主も女房も出てこず、上がり込むと、
暗く電気をつけるとそこには古本屋の女房の死体があった・・・。
この作品には、読者に語り掛けるような私によるナレーションが
入ってきて、読者に何となく挑戦状をたたきつけているような、
感じになっていた。(森見登美彦の四畳半神話大系のような)
江戸川乱歩作品で明智小五郎が初登場する作品と言うことで、
明智小五郎の頭脳明晰なところは描かれるが、謎な人物であり、
素性はよくわからなかった。
読んでいて、終わりに近づくにつれ、
言っていいのか、失楽園の元ネタ?って思うような思わないようなって
なったのは自分だけでしょうか。
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江戸川乱歩の作品





