眠り人形 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • 1929(昭和4)年「少女倶楽部(大日本雄辨會講談社(現・講談社))」が発行していた少女向け雑誌にて初出した野村胡堂作の「眠り人形」。
    この作品は、題名にある「眠り人形」が行方不明になった松沢彦次郎へと繋がる道を示す推理短編小説である。

    10年間音信不通だった松沢彦次郎との再会を果たしたその妻と娘のよし子。喜びもつかの間、再会したその日のうちに彦次郎は行方知れずとなってしまう。妻娘はあらゆる手段を使い、彦次郎を探すも見つけることができず、貯金も底をついてしまう。妻娘は銀座で古道具屋を営む店主を頼り、竜泉寺にある店主の家の2階を間借りすることに。

    日々の生活のため、古道具屋で店主に彦次郎の形見である持ち物をさばいてもらいながら、彦次郎の情報も探し続けてもらっていたある日。年若い紳士の香椎六郎とその姪である加奈子が来店する。加奈子は古道具屋の露店にあった人形をたいそう気に入った。その人形は彦次郎がよし子のために買ってきた「眠り人形」であった。店主から聞いた妻娘の境遇を気の毒に思った六郎は「何かの折に聞き入れたらすぐにお知らせする」 と約束し、加奈子は言い値額の倍を払うと申し出て、2人はその人形を手に帰路についた。

    加奈子が買ってもらった人形を見せてもらった家族は、人形の不自然さに気がつく。さらに人形に仕掛けが施されていることにも気づいた六郎は、すぐさま加奈子と共に古道具屋の店主と彦次郎の妻娘の元へと駆けつける。それはちょうど、唯一の娘のために母親が決心を固めた瞬間であった。

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