白昼夢 [青空文庫]

  • 青空文庫 (2016年8月31日発売)
  • 新字新仮名
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青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • 「あれは、白昼の悪夢であったか、それとも現実の出来事であったか。」という一文から始まるこの小説は〈私〉視点で話が進んでゆく。
    〈私〉は蒸し暑い夏の日どうしてだか分からないが、広く埃っぽい、土埃の舞う大通りを歩いていた。そこは古びた商店や、埃でだんだら染めされた小学生の運動シャツが干されていた。道の真ん中に輪を作って歌っている女の子たちも、縄跳びで遊んでいる男の子たちも皆埃にまみれていた、というように読んでいるだけで埃っぽいのが想像できるが、「埃」という単語が多用されているため後々重要になるのかと思いきや最初の部分だけしかででこなかった。しかし、このはじめに多用された「埃」によって〈私〉のいる場所が普通ではないといっているように感じられる。
    また、〈私〉の行く先に人だかりができており、皆喜劇を見ている人の笑いを浮かべたり、大口を開いて笑っていたりしていたため好奇心で近づいて行くと、男が演説をしている。誰もが男の演説を笑いながら聞いているが、男はいたって真剣であり事細かに妻を殺したことを話しており、さらには警官まで群衆に交じってニコニコと笑っている、という異様な状況に何を信じれば良いのか分からなくなる。
    この小説は「私」が見ている夢なのか、「男(真柄太郎)」の見る夢なのかも分からず、そもそも現実なのかも分からず、視点は「私」で話が進んでいくがすべてが様々な解釈をすることが出来るため『白昼夢』という題名の通り、夢でも見ているかのような小説だった。

  •  本当に白昼夢のような話。
     筆者の経験を回想したような記述にしているのがポイント。

     
    「香具師の口上にしては余りに熱心過ぎた。宗教家の辻説法にしては見物の態度が不謹慎だった」
    「その男は、何々ドラッグという商号を持った、薬屋の主人であった」

     
    “何々ドラッグ”とはやけに今風のネーミングだと気になりました。何とモデルがあるようです。
     そして薬屋の主人というのは真柄太郎という名前のようです。印象深い名前。いかにも江戸川乱歩作品の登場人物といった感あります。他の作品には登場しないのでしょうか。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180827/p1

  • オチの意味がわからなかった。
    ゾッとする話?
    ホラ話?

    うーむ。
    わからなかった。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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