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青空文庫 ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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『怪人二十面相』は、1964年の8月に第一刷の発行がされた。もう発行されて今月で57年がたとうとしている。しかしこの本は、57年たとうとも今でも老若男女問わず愛読されている人気小説のうちの一つだ。私がこの物語を読むきっかけとなったのは、幼い頃から大好きだった青山剛昌の作品である『名探偵コナン』である。この漫画も長い間、幅広い年齢から愛されており知らない人はいないのではないかと思うくらい大人気の作品である。『名探偵コナン』に登場するキャラクターは江戸川乱歩の作品を基に作られている。例えば「コナン」は、江戸川乱歩と『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者であるアーサー・コナン・ドイルを組み合わせて名付けられた。
私が初めてこの作品の『怪人二十面相』というタイトルを見たとき「怪人」というワードからホラーというジャンルが思い浮かんだ。しかしこの小説は、ホラーではなくミステリーである。この物語には怪人二十面相という名の大怪盗が登場し大邸を舞台に怪人二十面相と明智小五郎という名の名探偵が対立するというストーリーである。怪人二十面相は変装の達人であり、誰もしらない二十の顔を持つと言われている。怪人二十面相の変装は読者が唖然とするほどのスキルで誰もが驚くだろう。彼の変装はこの物語の大きなカギとなっている。さらに怪人二十面相には、「人殺しをしない、いつ・どこで・なにを盗むのかを予告してからお目当てのものを盗みにいく」という決まりがある。そして何より名探偵である明智小五郎との対決を楽しんでいる。怪人二十面相は悪役として書かれているが、こうした部分から悪役ながら格好いいという印象づけがされている。
またこの物語には物語の要所に「読者諸君、ひとつ想像してご覧なさい。」などというように読み手に考えさせる描写が見られる。このような文章をいれることで読み手にも考える時間を与え物語に集中させ、ストーリーの中にいるような感覚にさせる効果があると考えた。
探偵の明智小五郎と少年探偵の小林芳雄は名コンビであり素晴らしい観察力と推理力で怪人二十面相を追い詰めていくというシーンは、個人的にスリルがあり面白く注目すべき点だと考えた。
最後に、この『怪人二十面相』という物語は児童文学のため、初めて読む人や小学生のような小さい子供でも内容が分かりやすく読みやすいものということを重視した物語になっておりそれに加えて先程述べたように探偵たちと怪人二十面相の対決はスリルがあり魅力が詰まっているためそれらが今でも老若男女に愛される理由なのではないかと考えた。
著者プロフィール
江戸川乱歩の作品





