木馬は廻る [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • 主人公の格二郎は50代のラッパ吹きで、手の掛かる子供とヒステリィを起こしてしまう奥さんの煩わしい家族と一緒に貧乏な生活を送っています。そんな彼には二つの楽しみがあります。一つは、勤め先の木馬館で好きなラッパを吹くことです。そこには回転木馬が置いてあり、お客さんは子供も大人も皆、喜んで木馬を乗りまわし、格二郎も楽しい木馬の世界に浸るのです。もう一つの楽しみは、もぎりをしているお冬と言う18歳の女の子です。帰り道に会話をして、別れ際の後ろ姿を眺めてほんのり甘い気持ちになったり、格二郎と同じくらい貧乏な彼女に花かんざし、お汁粉といったちょっとしたプレゼントをして喜ばせたり、彼はお冬に惹かれていることが分かります。中年の男性が18歳の女の子に夢中であるのは言ってしまえばロリコンでしょう…。だけれども、格二郎の普段の生活ぶりを思うと、物悲しさを感じます。話の展開は分かりやすく、最後は開き直った格二郎にスッとする作品だと思います。

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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