感想・レビュー・書評
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「怒るなよ、世の中のことは怒るやつが負けだぞ」おかねが去ると、彼は口を歪めてそう呟いた、「――藤井はあいつの古い馴染だ、あいつが万清楼の女中をしていたときからできていたらしい、そのくらいのことが見えないおれとでも思っているのか」
何人かでてくる小悪党の皆様の世知にたけた薄汚さが、妙に魅力的に感じる。
父親の喜兵衛さんは、娘のためにおあつらえの婿まで探して、お金も貯めてあげていたのに、こんなことになって一番不幸ではないか。
しかし、自分の所業が一番不幸で不孝であることをとうのおしのさんもしっていることが救い難いところと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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