戦争医学の汚辱にふれて ――生体解剖事件始末記―― [青空文庫]

  • 青空文庫
  • 新字新仮名
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 4
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 九州大学生体解剖事件に関わったとされ罰せられた当事者が、『海と毒薬』の読後に事件を振り返って記した文章。

    読み終えた感想を一言で言ってしまうなら、『海と毒薬』のB面。
    正しさとは、愚かさとは、それがなにか見せつけられたような気がした。筆者と対になる存在が倫理と道徳の拠り所としているキリスト教、その使徒の思想を引きつつ静かに導かれた末尾の文章がしみた。それこそ、うっせぇわ!とがなりたてるような叫びよりも、遥かにダイレクトに心に響いた。

    ただ、それでも、人として超えてはならない一線がある。その一線を人の心に託すのではなく、言葉に刻んで広く知らしめ戒めとするという意味で、ヘルシンキ宣言は偉大なのだと痛感できた。

全1件中 1 - 1件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×