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感想・レビュー・書評
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九州大学生体解剖事件に関わったとされ罰せられた当事者が、『海と毒薬』の読後に事件を振り返って記した文章。
読み終えた感想を一言で言ってしまうなら、『海と毒薬』のB面。
正しさとは、愚かさとは、それがなにか見せつけられたような気がした。筆者と対になる存在が倫理と道徳の拠り所としているキリスト教、その使徒の思想を引きつつ静かに導かれた末尾の文章がしみた。それこそ、うっせぇわ!とがなりたてるような叫びよりも、遥かにダイレクトに心に響いた。
ただ、それでも、人として超えてはならない一線がある。その一線を人の心に託すのではなく、言葉に刻んで広く知らしめ戒めとするという意味で、ヘルシンキ宣言は偉大なのだと痛感できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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