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『先代旧事本紀』を読もう

大田別 稲吉さんのまとめ

大田別 稲吉さんのまとめ

ジャンル : / 歴史・時代

作成日 : 2013年11月29日

更新日 : 2015年5月21日

  • 『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』は九世紀の古典です。『旧事紀(くじき)』と略して呼ばれることもあります。
    神代から推古朝までを扱った私撰の歴史書ですが、聖徳太子の編纂を騙ったため、『日本書紀』や『古事記』と並ぶ、あるいはそれ以上の史料として重視されてきました。偽書であることが明らかになったのは、江戸時代になってからです。
    現代では、偽書であることを受けとめつつも、平安時代前期という比較的古い成立である価値が認められています。特徴としては、物部氏に関係する記述が多く、編纂者も物部氏族に属する人物と考えられています。

    『先代旧事本紀』のテキスト本、『先代旧事本紀』を考察した本、『先代旧事本紀』を利用している本を紹介しようと思います。
    なお、七十二巻本や三十巻本の『先代旧事本紀』も存在します。江戸時代に成立したと見られ、平安時代前期の十巻本『先代旧事本紀』とは別のものです。ここでは、扱わないことにします。

  • 先代旧事本紀を読む

  • ■ 現代語訳された本、訓読された本、原文(漢文)の本です。

  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    歴史雑誌の『先代旧事本紀』特集号です。
    菅野雅雄氏による訓読のうち、序から地祇本紀が別冊付録に、天孫本紀が本誌に収録されます。天孫本紀には注もつきます。
    論考も充実していますが、菅野氏が音頭を取って集めた執筆者なので国文学の視点からの文章がほとんどです。歴史学者等が書いたものはありません。

    『歴史読本 2008年 11月号 [雑誌]』より引用

    • 引用ここから いわゆる偽書とは、序や奥書あるいはその書の内容に、明確に成立に関する記述があるにもかかわらず、その書の内容に、それと齟齬をきたす記述、あるいはそれと矛盾する内容が記述されている書物のことをいう。
      それゆえ、上代の文学書の中で、たとえば『万葉集』には、その本文中に成立に関する記載が見られないので、巻二十の最後の四五一六番歌が天平宝字三年の作であることから、成立は西暦七五九年以後のある時と推定されるのみで、そこに偽書説が唱えられる余地はない。 引用ここまで ー 50ページ
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    二号連続の『先代旧事本紀』特集号の後編です。訓読文のうち、皇孫本紀から帝皇本紀までが別冊付録に、国造本紀が本誌に収録されます。
    論考も充実していて、一般向け雑誌だけにとても読みやすい内容になっています。

    『歴史読本 2008年 12月号 [雑誌]』より引用

    • 引用ここから 平安初期に、地方豪族と結びつきの深い中下級官人層が、世職世襲の波に乗って生き残りを画策する中で成立した『先代旧事本紀』は、天皇や摂関家に直接献納することはできなかったものの、中下級官人層に広く享受され、まずは深く静かに浸透していったと見られる。
      そこでは『日本書紀』に大きく依拠し、鎮魂という宗教的呪法に特色を出しつつ、物部氏を中心とする氏族の系譜や国造の設置記録など旧い氏族の手許に残る貴重な資料を盛りこむという手法が注目される。これが恐らく完本として写書されていった理由であろう。 引用ここまで ー 73ページ
  • 先代旧事本紀 現代語訳

    安本美典 2013年10月1日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp
    大田別 稲吉さんのまとめ

    『先代旧事本紀』の口語訳(現代語訳)としてははじめて世に出た本です。注と解説も平易で読みやすいです。監修者の安本美典氏の影響が強く出ています。

    『先代旧事本紀 現代語訳』より引用

    • 引用ここから 学生時代から旅先でのお土産として、地元の方が執筆されたその土地の自然や風物を記した地誌を求めて読むのが楽しみだった。その土地にどんな自然があり、人々はその自然とどのように係わって生きてきたのか。そういう書物を読むと、『記紀』の神話や実在しないとされる初期の天皇の時代の記述のさりげない地名の中に、なんと縄文時代以来の玉作りの遺跡があり、古い神社がある。由緒のあるお祭りや神楽がある。古墳があり考古学の遺物がある。さらにその土地の人々が大切にしてきた樹木や泉や磐座などの自然があり、海の幸・山の幸などの 引用ここまで ー 601ページ
  • 先代旧事本紀・訓註

    大野七三 2001年3月1日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp
    大田別 稲吉さんのまとめ

    アマチュア古代史家の大野七三氏による訓読本です。注と解説は『古代日本正史』の原田常治氏の影響が大きいです。

    『先代旧事本紀・訓註』より引用

    • 引用ここから 記紀神話では、神々の区分として、高天原(日向)を舞台に活躍される神々を天神としている。この天神の物語をまとめた巻が本巻(天神本紀)である。
      しかし、本巻では、出雲の素戔烏尊の御児饒速日尊を日向の天照大御神の御児正哉吾勝々速日天押穂耳尊の御児とされ、天神として、その伝承をまとめた巻である。
      即ち、神武東遷以前、饒速日尊は瑞宝十種(皇位継承の験)と対馬・北九州方面から三十二人の武将と二十五部の物部(軍団)その他を率いて大和(当時トミ或いは、長髄)に遷られ、当地の豪族長髄彦の妹を妃として、 引用ここまで ー 60ページ
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    『先代旧事本紀』の原文(漢文)を校訂した本です。歴史論文で『先代旧事本紀』を引用する場合、この本を使うのが一般的で、信頼度が高いとされています。
    『先代旧事本紀』は『古事記』や『日本書紀』『古語拾遺』を切り貼りしている文が多いのですが、どの部分でそういった利用がされているのか、わかりやすく線が引かれています。

  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    これも鎌田純一氏による校本です。現時点では最新の校訂ですが、『先代旧事本紀の研究』より後退している箇所もあるような。
    栗田寛が巻十国造本紀に詳細な注をした「国造本紀考」や、御巫清直が編纂者を興原敏久にあてる「先代旧事本紀折疑」も収録されています。月報もおもしろく、上田正昭氏の「瑞宝十種の伝承」などが載っています。

  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    大きめの図書館に置いてあることも多い『国史大系』シリーズの一冊です。上記の鎌田校本が出た今となっては古いかも。

  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    江戸後期の国学者・橘守部による「旧事紀直日」も収録。『先代旧事本紀』が偽書であることが明らかにされるなか、それに反発しています。

  • 先代旧事本紀を知る

  • ■ 『先代旧事本紀』は、いつ、どのような背景によって、誰が書いたのでしょうか。そしてどのような特徴を持っているのでしょうか。
    『先代旧事本紀』を検討した本です。

  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    文献史学の権威・坂本太郎氏の随筆集。コンパクトにまとめられていて読みやすいです。鎌田純一氏やG.W.ロビンソン氏といった旧事本紀擁護派の説を一蹴。国造本紀は「全体としてはなはだしどけない記録であり」、「あまり期待はかけられない」そうです…

    『史書を読む (読みなおす日本史)』より引用

    • 引用ここから これは全く皇室の祖神ニニギノミコトの降臨に劣るまいとして作られた物語である。大体北方民族にはこうした祖神の天上降臨神話を伝えるものが多いから、天孫降臨はニニギノミコトの独占とはいえない。雄族物部氏にこうした説話が伝わったとしても不遜とはいえないのである。しかもこの場合ニギハヤヒノミコトはニニギノミコトの兄というのだから、そのほうが勢いがいい。 引用ここまで
  • 『大化改新 (坂本太郎著作集)』より引用

    • 引用ここから 又二十二年大仁矢田部御嬬連公に詔し姓を改めて造となし、大唐使に遣し、大礼犬上君御田鉏を小使となすとある所は、書紀では犬上君御田鍬、矢田部造(闕名)を大唐に遣すと記すのみで、両者の差は詳細の差のみではない。これらの点は旧事紀編者が恐らく書紀以外の他の古書によつたものらしく、何れも遣隋関係のことであるのを見ると、釈日本紀や善隣国宝記に引かれた海外記又は海外国記といふ類の書物が恐らくはその材料を供給したのではあるまいか。 引用ここまで ー 39ページ
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    斎藤英喜氏の「『先代旧事本紀』の成立」を収録。旧事本紀は、記紀神話をいかに改変して成立したのか?その背景とは…?
    権威化された偽書づくりの現場を検証する、津田博幸氏「日本紀講と偽書」も面白いです。

    『徹底検証古史古伝と偽書の謎―「偽り」と「謎」が織りなす闇の歴史を暴く! (別冊歴史読本 (77))』より引用

    • 引用ここから 日本記講はこうして、『日本書紀』を注釈するという行為を核にしながら、『日本書紀』にはないさまざまな語句や歴史のエピソードを吸い寄せる特殊な場所であった。誰かがそれらを集めて時系列に沿ってまとめれば新しい史書ができあがるではないか。それが朝廷の公認を受けなければそれは「偽書」であるが、そうはなるとはかぎらない。『先代旧事本紀』はまさにそのようにして日本記講の磁場から、自らのコンテンツをかき集め、そのエネルギーを糧に書物として生成した偽書であったと言える。 引用ここまで ー 153ページ
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    阿部武彦氏の「先代旧事本紀」を収録。表題のとおり旧事本紀の解題です。スタンダードな解説のひとつといえます。

    『国史大系書目解題〈上巻〉』より引用

    • 引用ここから 『先代旧事本紀』を読むとき、その編纂者が物部氏一族の誰かであることは誤りないであろう。しかしそれを今日誰ときめることははなはだ困難である。なお鎌田純一氏は九世紀の後半物部氏は衰えているから、中央で編纂されたとは見えず、おそらく中央に関係のない物部氏、都から離れた石上神宮を奉斎していた誰かではなかろうかと述べている。石上神宮を奉斎していた誰かではなかろうかという初見は、「天孫本紀」に見える物部氏系譜が石上神宮奉斎者の系譜であることからかなり考えてよい説であろう。 引用ここまで
    • 引用ここから すなわち天孫本紀の物部氏系図はこれをすべて平安時代になって作り出したとは考えられず、それ以前に何か史料は残っていたであろう。そして系図はそうした史料を、奉斎神宮者の立場から整理したものであり、系図の中の各個人に付せられた説明文はかなり遅くつけられたものではなかろうかということである。 引用ここまで
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    三上喜孝氏、鎌田純一氏(「先代旧事本紀の研究」第二章・五章を再録)の論文はともに必読。編者の安本氏が継承発展している御巫清直の説も、現代語訳で収録されています。

    『奇書『先代旧事本紀』の謎をさぐる』より引用

    • 引用ここから 『先代旧事本紀』探究の集大成!!
      私たちは、史書といいうる古代文献を、それほど多くはもっていない。奈良時代から平安初期に成立した歴史文献は、『古事記』、『日本書紀』など十指に満たない。『先代旧事本紀』は、その十指に入る。古代の豪族物部氏研究に不可欠の貴重な史書である。ただ、「偽書」の声も強く、本格的な研究にとぼしい。本書は、不遇な史書『先代旧事本紀』の主要研究を網羅的に整理し、集大成した研究者必読文献である。
      (帯より) 引用ここまで
  • 大田別 稲吉さんのまとめ

    『先代旧事本紀』は、いつ、誰が編纂したか?という問いに対して、成立年代を「西暦820年代ころ」、編纂者を「興原敏久」という回答を示しています。
    それを土台に、物部氏=弥生時代起源説、物部氏の九州から近畿地方への東遷説を展開します。

    『古代物部氏と『先代旧事本紀』謎―大和王朝以前に、饒速日の尊王朝があった (推理・邪馬台国と日本神話の謎)』より引用

    • 引用ここから 『先代旧事本紀』というふしぎな本がある。
      この本は、だれによって、いつ書かれたのか。
      『先代旧事本紀』は語る。
      「神武天皇よりもまえに、物部氏の祖・饒速日の尊が、畿内大和へ東遷降臨した。」
      この伝承は、どこまで信用できるのか。
      饒速日の尊と皇室の祖瓊々杵の尊とは、兄弟なのか。 引用ここまで ー 1ページ
    • 引用ここから 『先代旧事本紀』は、饒速日の尊が河内の国の哮峰に天下った、という。
      この哮峰は、どこなのか。
      また、『先代旧事本紀』は、饒速日の尊を登美の白庭の邑に埋葬したという。
      この登美の白庭の邑は、どこなのか。
      この本は、これら数々の謎にこたえる。 引用ここまで ー 1ページ

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