ブクログ談話室

夏目漱石「こころ」のその後

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「先生」が自殺したことを知った「私」は、その後どうしたと思いますか?
と高校時代に現代文の授業で先生に問いかけられました。そのときはよく考えられませんでしたが、その先生曰く
「Kを見殺しにした「先生」と同じように、「私」は父親を見殺しにして東京へ戻ってしまった。きっと「先生」と同じく自殺してしまったのではないか」
とのことで、ずっと頭に残っていましたが、最近また読み直してみて、どうも違うような気がしています。
みなさんどう思われますか?どんな考えがあるのか、色々なご意見お聞きしたいです。

質問No.4543
みんなの回答・返信

  • 名無しさん 名無しさんの回答 2020年04月15日
『こころ』の読解には、先生と乃木希典の関係を探るものがありますね。賛否はさておき、私小説的な作品を内面性とは別の文脈で読解する思考は重要です。そして「明治の精神」が先生の自死によって終止符を打たれたとすれば、「私」は、先生への敬意のもとに、ポスト明治を生き抜くことを自らの使命と感じていたかもしれませんね。
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/4280
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回答No.4543-092449
皆さんのご意見が面白いので何十年ぶりに読み返してみました。先生は書留で遺書を私に送ったことから、確実に私に託したかったことがわかります。三等列車で東京に向かった私は先生の家で奥さんと会い、心の支えになろうと決心する。田舎では父が亡くなり、母を一人残すわけにはいかず、私が田舎の家を継ぐことになる。私は月に一回先生の命日に奥さんの所を訪ね先生の思い出話を奥さんと語り合う。先生の墓も雑司ヶ谷にある。
1
回答No.4543-054741
私の空想です・・・

私は先生の元にたどり着くが、既に服毒自殺で亡くなっていた。そして私は、先生の妻が帰る前に、先生の周りをきれいに整え、できる限りショックを与えないように配慮をする。そして、先生の妻と葬儀を終え、父が亡くなった知らせを受け、実家に戻る。実家に戻ると、家族から父の最期に立ち会えなかったことを責められるが、先生の意志を尊重して、誰にも先生の死の秘密について口外することはなかった。
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回答No.4543-054011
「私」は、先生の奥さん「静」と結婚したと思いますよ。
よく読むと、本文からも先生が妻を「私」に託そうとしているのが読み取れるんじゃないかと思います。(どこだと言えたらいいんですがちょっと今「こころ」を読み返す体力がありません…笑)「その時の私は子どもを持ったことがなかったので」とかいう記述もあったような、だからもう子どももいるかも。
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回答No.4543-048960
コメント 8件
私もそう思います。先生の奥さんは今で言う専業主婦であり、自殺を決めた先生にとって心残りになるのは生活力のない奥さんのことだったはず。奥さんを托したいからこそ、先生は「私」に長大な手紙を書いたのではないでしょうか。
横から失礼いたします。
このご意見にはとても驚きました。それはまったく私は考えなかった線だったので。。
そして、先生は奥さんが再婚せずとも食べていくだけの資産は残されていたように記憶しているので、必ずしも語りの私が奥さんの面倒をみなければならないということもないのかな、と思います。
年の差もかなりあるように思いますし。。
mariさん mariさん 2012/12/17
しゅうこさんコメントありがとうございます。

・・・びっくり仰天しました!確かにそんな描写ありましたね。しかしながら考えたことがなかった「その後」です。
ますます読み返したくなりました。
ありがとうございます!
mariさん mariさん 2012/12/17
栄さんコメントありがとうございます。

「先生」のあの長い遺書に託された思い、そう解釈すると合点がいきますね。
初めて聞くご意見でしたので、改めて読んでみる必要あるなあと思っています。
ありがとうございます!
mariさん mariさん 2012/12/17
りいこさんコメントありがとうございます☆

私もびっくりしました!!りいこさんのご意見聞いて「なるほど~」と思ったばかりでしたが、またもや新たなご意見を聞かせていただいて・・・
私も、お金はある夫婦だと認識していたのでその線は全く考えていなかったです。。
何か久々に上がってたので追記。
わたしが書いたこの説は、特にわたし自身が考えたとかいうことではなくて、文学を勉強していくうちに自然と頭に入ってきた説です。つまり、大学の講義受けたり書評や論文を読んでたら普通に出てくる「その後」です。
わたしもそういうものを受容しながら、なるほどなーと思ったものを書き込んだ、という感じですー。
この線は全く考えていなかった!
こういう読み方もあるのですね。次に読むときには、意識して読んでみたいと思います☆
名無しさん 名無しさん 2013/04/22
面白い解釈ですね。考えたことありませんでした!
 一番最近読んだのは中二の高一です。
 わたしは「恋は罪悪」と言う言葉は、Kを自殺に追い込んだ先生の酷い後悔の塊だと思います。若いころの出来事にとことん呪縛され続け、時代の変わりに便乗して自殺した。
 「私」のその後にとって先生と過ごした時間と先生の存在は時代が変わり時が流れるごとに幻のようになっていき、手紙だけが先生の存在証明のようになる。

と解釈しました。
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回答No.4543-048915
コメント 1件
mariさん mariさん 2012/12/16
エッダさんコメントありがとうございます。

中2でこころを読んだのですか!素晴らしいですね☆

「先生の存在が幻」「手紙だけが先生の存在証明」
なんだかとても素敵な表現だなと思いました。来年あたり授業で習うかもしれませんね。また新しい発見があるといいですね!
学ばせてもらいました、ありがとうございます。
私もその先生の意見に思わずそれはないよと呟いてしまいました。
まず、先生とKの関係と私と父親の関係が違いますし、先生がKを見殺しにした、自殺に追いやった状況と私が危篤の父親より先生を選んだという状況もまったく違いますから。
それに先生の遺書は自殺をすすめるために書かれてはいません。
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回答No.4543-048901
コメント 9件
先生はこれ以上Kの死の真相を黙ったまま自分だけが生きていることはできないと思い詰め自殺を選んだと思うのですが、その際、先生は自分がなぜこういう結末を選ばなければならなかったのかをどうしてもだれかに伝えたいと私に長い物語を残しました。それはそういう生き方をし、そういう死に方を選んだ者がいたということを私に覚えていてほしいと先生はおそらく考えたのだと思います。
ならば先生のためにも私は先生の真実を覚えていなければなりません。父親の死に際に立ち合わずに選んだ人の望みがそれですから、私は決して自殺だけは選ばないと思います。そこで自殺してしまっては先生の最期の望みを叶えられないばかりか父親の最期を看取らずに家を飛び出すほど私にとって重要だったことをも私は投げだし、死へと逃げだすことになってしまいます。
それは先生への裏切りであり、信念を通して父を見捨てたことにさえ裏切る結果となります。
とはいえ、私がその後どうしたかは想像の域を出ずわかりませんが、このこころという作品はつまり先生の死後私によって書かれたという体裁をとった作品だと思うので私はその後、この物語を書き、売れっ子となったかはともかく、おそらくは東京に出て文筆家となったのではないかと回答者は思います。
長々とすみませんでした。そして、的外れでしたらお恥ずかしい限りです。
こころは私も高校の授業で出会い、それからずっと大切に読み続けている作品です。
この質問に回答させていただくことでまたこの作品と向き合いたいと思いました。ありがとうございました。
mariさん mariさん 2012/12/16
りいこさんコメントありがとうございます。

「先生」は遺書の中で、しきりに「覚えていてほしい」「血潮をあなたに浴びせかけて」などという表現を使っていますもんね。
「私」もそのあと自殺したのでは・・・という案に違和感を覚えたのはりいこさんのおっしゃる通りだと思いました。
「東京で文筆家」
私は思いつかなかったです。なるほど!という感じです。
新しい発見あればまた教えてください☆ありがとうございます。
mariさま
皆さま深くお考えで表面的になぞっただけの考えになっていないかと心配ですが、、語り手の私は家に残るのかどこかへ就職するのかと将来を悩んでいるなかで一つの可能性としては、先生を選んで上京したという事実が地元に残るのではなく、東京に出るという後押しになるのかな、と思い、東京に出て文筆家に、と私は考えました。

面白い質問でもっと回答が増えると楽しいなと思っています。
マツオタイチさま
漱石=語りの私、という見方ですが、史実とそぐわなくともそういうふうに重ねてみるというのはまったくの間違いではないと私も思います。小説はすべてを事実で描く必要もありませんし、登場人物に著者の心情が重なるのは当然だと思うので。
また、マツオタイチさまの解題まで読み込まれた上の上記のご意見は私には思い至らなかったものでとても興味深かったです。
(私の書いたコメントは削除をしておきました。失礼しました。)
書かれている部分でいえば、自分の書いたものが即世間に知られるような書き手になっていますね。それを先生と呼ぶのか、作家と呼ぶのか。そして先生の遺書を公開して、先生を裏切っています。
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