読書のすすめ。読書に取り組むまえに、本を手に取るまえに

「本の部分の名前」

 本は、それぞれの部分に名前がついています。「表紙」や「帯」ならお分かりになるかたも多いでしょうけれど、他の部分についてはどうでしょう?

1. 本の外側の部分

本の部分の名前1 本の部分の名前2

・「表紙」(ひょうし)
 本体の一番外側の部分です。本を開きはじめる側の表紙を「表表紙」、その反対側を「裏表紙」、表紙の平らになっている部分を「平」と呼びます。

・「カバー」
 表紙の外側にかけられている紙をさします。表紙の傷みや汚れを防止しつつ、本が目に入った人の興味を引き、手にとってもらうための役割もあるため、本のタイトルや著者名が記され、様々なデザイン、素材、色使いが施されています。

・「帯」(おび)
 本の魅力をアピールし手にとってもらうため、カバーの上に巻く紙です。紹介・キャッチコピー・推薦文などの文字情報や、著者近影などが印刷されています。

・「天」(てん)
 本の上部をさします。本を立てたとき、上にくる部分です。金色に塗ったり(「天金」)、色染めをして(「天染め」)本を装飾することがあります。

・「地」(ち)
 本の下部です。本を立てたとき、下にくる部分です。

・「小口」(こぐち)
 本を開く側、ページが重層的に見えている部分をさします。背の反対側のことです。天と地の部分を小口に含めることがあります。

・「背」(せ)
 本を束ねる部分のことです。小口の反対側になります。背に重なる表紙・カバーの部分を「背表紙」と呼び、本屋で並ぶのを想定し、背表紙カバーには本のタイトルと、著者名が記されています。

・「角」(かど)
 本の表紙の2つの小口が交わるところの点をさします。ふつうは直角になっています。

・「溝」(みぞ、「銀杏」[いちょう]とも呼ばれます)
 表紙の両面、背の部分の近くに彫られている溝のこと。本を開きやすくするための処理です。

2. 本の内側の部分

・「本文」(ほんぶん)
 本の中身のことで、紙を折りたたんで作った折丁(基本は16ページ)を束ね、糸でまくられるか、糊で固められてまとめられています。その束ねた折丁の背部分には、網目の布(寒冷紗)を貼って補強し、見返しで表紙に固定します。見返しを使いながら、背の部分が表紙に固定されていない本もあります(「フォローバック」)。丸背と角背があり、丸背は背が丸く湾曲しており、角背は背がフラットになっています。

・「見返し」(みかえし)
 表紙と本文を接着するために用いられる紙です。表紙に貼りつく側を「効き」(効き紙とも)、表紙にくっついていない側を「遊び」(遊び紙とも)と呼びます。

・「のど」
 「小口」から見て一番奥、本を綴じている側に一番近い部分のこと。読みにくい部分にあたり、ほとんどの本では余白部になっています。

・「そで」
 カバーや帯をかける時、表紙の内側に折り込む部分のことです。

本の部分の名前3

・「花布」(はなぎれ)
 天地両側の背と本文の接着面を隠すように貼り付ける細い布です。端布(はなぎれ)、ヘドバンと呼ばれることもあり、装飾として使われています。もともとは糸を編んで丁寧に縫いつける、各パーツを補強するための部分でした。

・「スピン」
 紐の栞のことです。天側の本文と背の接着部分に紐の端が固定されています。

3. そのほかの部分

・「本扉」(ほんとびら)
 本の「中身」の最初のページです。ふつうは書名、著者名、出版社名を印刷します。本文を印刷する紙とは異なる紙を用いることもあります。

・「中扉」(なかとびら)
 本の内容がいくつかの部分に分かれている時、それらの区切りとして使われるページです。始まる章・短編の表題が記されます。目次の前に入れるものは「目次扉」と呼びます。

・「注」(註)
 本文につける説明文や、出典元の明記などのこと。注を入れる場所によって呼び名が変わることがあります。本文の上部に入るものは「頭注」、左右に入れるものは「側注」、下に入れるものは「脚注」、巻末に入れるのは「後注」、文章の途中に小さい文字で入れるものを「割注」、巻末にまとめたものを「後注」といいます。

・「奥付」
 本文が終わったあとの部分や巻末に設けられる、書誌に関する情報・事項が記されている部分。著者名、書名、出版社、定価などの情報に加えて、版の変更回数を示す「版」、初版・重版などの印刷回数を示す「刷」の情報もあります。

これらの部分を知ると、一冊の本が大変きめ細やかに作られていることが分かります。より詳しく知りたいかたは、装幀やブックデザインについての本もぜひ読んでみてくださいね。