収録作が何作かあるが段々とよくなる感じ、決して芥川賞に阿っている訳ではございません。
この作家を産み出してしまった日本社会・歴史について、考えを巡らさざるを得ない。それ位悲痛な声が聞こえてくる。
作品の出来からすれば、あまりに直接的で声高であったり、技巧に走り過ぎたりした面が、最終収録作で抑制が上手く効いていて読ませる感じに昇華している。
作家の成長も見てとれ、そして日本社会を、人間を考えさせてくれる良い文庫です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年5月23日
- 読了日 : 2015年5月23日
- 本棚登録日 : 2015年4月26日
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