『沈黙』に触発されておそらく初読、個人的には『沈黙』には及ばないかな。
こちらの作品は主人公が二人設定されており、それぞれのストーリーが紡がれているため若干冗長な感がある。
日本人にとっての自己とは何か?という考察、非常に興味深い。
ヨーロッパはキリストという絶対的な客体との関係の中で自己を捉えるが、日本は家族・地縁・上司等客体であって客体でもない人間関係の中に自己認識の基盤がある。
これは決定的な相違であり、だからこそ侍達には絶望が、パードレには(あくまでパードレ自身にとってだが)希望が最後に待ち構えている。
侍達の境遇は現代日本の何処にでもありそうな話、つまり日本人の精神性はなおも変わっていないというこれもある意味悲しい話でもあります。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月9日
- 読了日 : 2013年6月9日
- 本棚登録日 : 2013年6月9日
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