あのねーえ、居酒屋あるいは立ち飲み屋に入ってチューハイ注文してまあこの時期ならホヤの塩辛なんて頼んで、箸の先っちょにペタペタくっつけながら舐めて炭酸ちょこっと焼酎味なんてのを小一時間楽しむ時間にうってつけなのがこれ。この本。いいわよ別にお洒落な感じなら赤ワインにピスタチオとブルーチーズでも。ただし絶対に場所は屋外でね。
半村良、渡辺淳一、立原白秋淀川長治北杜夫長谷部日出雄筒井康隆殿山泰司今出光、そして山口瞳という豪華絢爛雨あられ、ラッパ囂々なゲストに囲まれ吉行御大一歩も後退しておらずさすがの風格。ただどうしても場末の雰囲気は否めない。何故だろう、文壇の内緒話といったら銀座が定説じゃないんですか。なのに話題と言えばまあ小さくまとまって、盛り上がるのは過去の色艶酒豪の話ばかり。これ、音声とってる編集にも責任ありません? もっとノセてナンボなんじゃないの、担がれに来るのよ、文豪は皆。
その中で一番主旨をわかってる「恐怖」を語ってくれた長谷部御大がいちばんおもしろかった。
長谷部「よくこういうのがありますね。わたくしお酒がいただけませんで、一杯飲むと胸がドキドキして、二杯飲むと死にそうになって、三杯飲むと落ち着きますというのが(笑)」
吉行「それは落語の枕かな」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2018年11月8日
- 読了日 : 2018年11月8日
- 本棚登録日 : 2018年11月8日
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