硝子のハンマー (角川文庫)

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本棚登録 : 4621
レビュー : 554
著者 :
ブリジットさん グレー   読み終わった 

普段はドラマの原作、と聞いて本を選ぶことはない。
たまたま原作があることを本屋さんで知り、手にとってどんなのだろうとページを開いてみた。ふんふん、原作では弁護士の青砥さんが新人ではなくもう少し経験を積んでいて、芹沢弁護士はいないんだな。そして、主人公榎本は…、泥棒を本職とする防犯コンサルタント。

ドラマは1話完結なのだけど、この作品はこの本でひとつのお話。
トリックもすごいが、人間の作りこみもすごい。
前半は榎本と青砥が事件の捜査をしていく。可能性を考えては捨て、天然な(青砥の)案を試しては捨てる。犯人はどうやってビルに忍び込み、監視カメラの目を掻い潜り被害者を殺したのか。そして犯人は誰なのか?
トリックが明かされる前に、後半犯人の独白が始まる。
この展開も、読者を(というかわたしを)引き込ませる。ただトリックをとくだけでなく、なんで犯人がこんなことをしようとしたのかも明かされる。新鮮です。普通だと、探偵(役)がトリックを暴き、犯人に突きつけて、観念した犯人が話し始める…というのが王道かと思う。でもこの話だと、犯人の生々しい感情が書かれていて、トリックを榎本に解かれて欲しくないような気持ちになってしまいました。

泥棒なんてことをしている榎本の意外な正義感や、青砥の天然さがとてもいいです。
どろどろ重たい場面もありますが、不思議に明るい読後感。
ちなみに気になったのは榎本の好み。これはシリーズ2作目にも出てくるんですが、「知的な美女」に自分の能力をひけらかしたい欲望があるらしく(笑)
現在第3作まで出てるのですが、もう2作目までは読破済です。榎本のことが明かされる(ことがあるのか分からないですが)のが楽しみです。
そして原作者の喜志さんがおしゃってたのをどこかで読んだんですが、そのとおり、榎本の神経質そうなところが大野さんにぴったり。青砥は戸田さんをもう少し歳を取らせた感じで想像しながら読んでます。

レビュー投稿日
2012年5月5日
読了日
2012年4月29日
本棚登録日
2012年4月28日
4
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