みかづき

4.19
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本棚登録 : 3076
レビュー : 456
著者 :
YUKIT0874さん  未設定  読み終わった 

昭和に塾を開いた夫婦のお話、という情報だけで読み始めたら、想像を上回る物語の分厚さ!章を重ねるたび、主人公の視点が変わり、時が流れる。
教育という大きな問題と親子三世代という長い時間を扱うストーリー。そのスケールの大きさと本の厚さにもひるまず、まったく飽きなく読めた。登場人物たちの個性や、個々の人生の波乱万丈さが絶妙でぐいぐい読ませられた。
朝ドラのような、ある家族を見守っていく気持ち。読後、始めの章を、あんなこともあったなぁ…と懐かしく振り返る感覚。読んでいて楽しかった。
前半は塾創設の情熱や激しさに魅了され、中盤は子育てや仕事の両立、夫婦の関係などに注目し、最後は引き継がれる想いや繰り返される人間の営みに感動。たくさんの人物が描かれているので、その時の読者の状況で、感じとるものが変わるかもしれない。
10年後読み返したら、また面白いかもしれない。
最後の章が好き。子どもの作文を通して成長が見られたり、母親が変わったり、実際の「教える教えられる」という現場の喜びが描かれていて嬉しかった。
タイトルの「みかづき」の意味は何度か登場するけれど、最後に大吾が語った言葉が一番胸に刺さった。
「欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽をつむのかもしれない」

レビュー投稿日
2017年7月4日
読了日
2017年11月22日
本棚登録日
2017年5月16日
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