春琴抄 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6223
レビュー : 744
著者 :
ばもらさん  未設定  読み終わった 

「鵙屋春琴伝」という書物をもとに第三者が回想する形で語られる本作。書籍の裏のあらすじをを見て勝手に奉公人の佐助視点の話かと思っていたら予想外であった。
しかし読んで見ると、この第三者視点で語られることによって傲慢で我儘という春琴の性格の悪さが目立たなくなり、そのキャラクター性や春琴と佐助の特殊な関係性に不快感や嫌悪感を感じず、むしろ美しく尊いもののように感じられた。
また、春琴を先に亡くし盲目の佐助を評した下記の一文に文学的な凄みを感じ、感嘆させられた。
「人は記憶を失わぬ限り故人を夢に見ることが出来るが生きている相手を夢でのみ見ていた佐助のような場合にはいつ死別れたともはっきりした時は指せないかも知れない」

レビュー投稿日
2018年11月4日
読了日
2018年10月21日
本棚登録日
2018年10月16日
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