娼婦たちから見た日本 黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、タイ、チリ (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年5月25日発売)
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感想 : 7
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文章がいささか文学的にすぎると思った。また「~と言っている気が した」等、自分の考えの羅列に過ぎないものをあたかも風俗嬢がそう思っているか のように記述している箇所がいくつかあり、それは不誠実だと思った。
街を「浄化」し社会から風俗嬢がいなくなれば、その職についている人達はどこ にいけば良いのか(別のまともな職を得ることができるのか)という「貧困」に関 する問題と、需要側・供給側問わず、風俗に癒しを見つけ生きている人達は、風俗がなくなった後どうやって生きていくのかという「性そのもの」にかんする問題があるように感じた。
性そのものに関する問題としては難しいし安易に答えなど出ない。徹底的に抑圧することに は反対だが、かといって風俗を擁護したいがために、働いている人達をあたかも 主体的な選択の結果としてその職につき日々仕事に励んでいるプロフェッショナ ルだ、などと礼賛することも違うと思う。その中間のいずれかに妥協点があるだ ろう、としか言えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月3日
読了日 : 2018年1月3日
本棚登録日 : 2021年1月3日

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