長年気になっていた清水義範氏の著作、ようやく初めて手に取った。今回は平安~室町の歴史上の人物、主に8人をピックアップし、コラムでその周辺の時代の人物もサクッと取り上げている。
桓武天皇、空海、平将門まではなかなか気持ちが乗らず。語り手は様々だが、某事務所の某アイドルグループのパロディ設定は若干サムいと感じてしまった(ごめんなさい)。でも子供に興味を持たせるにはアリなのか。
個人的には興味のある平清盛、源義経から俄然面白くなってくる。大河などでおなじみの人物ということもあり、脳内映像化もしやすく、わかりやすい説明の一方で今更知ることも多く、新鮮であった。
そのままの勢いで北条時宗、後醍醐天皇、足利尊氏も一気読み。今回本書を読めてよかったと思ったのは、この後半3名の章である。歴史好きではあるが、源氏滅亡後の鎌倉~室町は自分的になじみの薄い時代。執権、六波羅探題、建武の新政、南北朝…日本史の授業で必死で覚えた単語の意味が、改めて、こういうことだったのか~と今更ながら理解できた。ようやく、それぞれの出来事の、人物たちの輪郭が、くっきりしたというか。この時代を描いた小説やドラマにも触れてみたいと思った。元寇のいきさつを詳しく知り、歴史で「たられば」を考えるのは野暮かなと思いつつも…もし台風がなく、まともに元が襲来していたらどうなったかと考えるとゾッとする。
そして、今回の目的であった西原さんの挿絵もことごとくツボ。ふざけているようで、的を得ているところもあり。
ユーモアたっぷりの内容で、総ルビで読み易いけど、子供はどこまでハマれるかな?でも、大人には結構楽しめると思う。かつて授業で、ざっと流れをさらっているからこそ面白いと思えるのかなと。そして、歴史上の人物の生き様にどこまで共感できるか、かな(大人だから色々わかるところもあるよね)。これに関しては、文字通り「判官びいき」の義経ラブな私です。
- 感想投稿日 : 2016年7月30日
- 読了日 : 2016年7月30日
- 本棚登録日 : 2016年7月21日
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