
映画化もされた大ベストセラー作品のコミカライズ。繊細な作品世界が丁寧に表現されている。新米調律師・外村の、不器用だけど仕事に対する真摯さ、双子の女子高生ピアニスト・和音と由仁の、互いを思いやりながらもふとしたときに感じてしまう相手への嫉妬心。若さ故の焦りや苦しみがリアルに感じられて、時々胸がぎゅっと締め付けられるようだった。
原作小説未読、映画も未見だが、コミカライズならではのよさもあるなといつも思う。小説と映像作品のいいとこ取りというか。本作は、演奏シーンが本当に美しくて、音が聴こえてくるようだった。
幼い頃、ピアノ調律師の仕事に憧れていたことがあった。こんなに奥の深い仕事だとは…と今更ながら知ることができて、心からよかったと思う。
- レビュー投稿日
- 2019年2月24日
- 読了日
- 2019年2月23日
- 本棚登録日
- 2019年2月18日
『羊と鋼の森 (上巻) (フラワーコミックススペシャル)』のレビューへのコメント
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