マリー・アントワネットの日記 Bleu (新潮文庫nex)

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本棚登録 : 186
レビュー : 19
著者 :
メイプルマフィンさん 歴女修行中   読み終わった 

フランス王妃となったアントワネット。目の上のたんこぶがなくなったとばかりに自由を謳歌する彼女。相変わらずのギャルのノリで語られるからこそ、彼女の空虚感が浮き彫りになって痛々しい。フェイクニュースに翻弄される有名人、そして炎上…まんま現代じゃないかとゾッとする。誰かのゴシップでガス抜き。時代が変わっても人の内面はそうは変わらないのかと。でも、「浪費しちゃってもう…」と思いながらも、ファッションデザイナーのベルタン嬢と仕掛ける最先端モード、自分好みに設えたプチ・トリアノンの描写はワクワクした。
ひたひたと迫る革命の足音。わかってはいても、バスティーユ襲撃からの流れは辛い。ヴァレンヌ逃亡なんて、「お願い、逃げ切って…!」と祈る気持ちになってしまう。展開なんて知り尽くしているのに、何だって毎度手に汗握ってるのか私は。クライマックス、娘のマリー・テレーズにかけた言葉には号泣。色々と重苦しい場面が続く終盤だが、ふっと笑いが漏れる瞬間もあり(まぁ、泣き笑いですけどね)トリコさんの巧さだなといつも思う。小ネタの仕込み方が毎度絶妙なんですもの。
節目節目で色々な「アントワネット」像を見てきた。悲劇のヒロインなのか悪女なのか、その時その時で彼女に抱く私の感情も色々だった。今回も「おま、そういうとこだぞ!」と説教かましたくなる場面は多々あれど…一人称で語られる彼女の心情には共感する部分も沢山あり、こんなにアントワネットが身近に感じたことはなかった。
自分が思ってた以上に、ハマりました。この新しいアントワネットに出会えて本当によかったです。

レビュー投稿日
2018年9月19日
読了日
2018年9月19日
本棚登録日
2018年9月16日
9
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