真夜中の電話 (児童書)

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本棚登録 : 99
レビュー : 19
メイプルマフィンさん 絵本・児童文学・YA   読み終わった 

重厚感のある長編作品でおなじみのウェストールだが、「短編の名手」としても知られていたというのも頷ける本作品、どの短編も読み応えありでした。
徳間書店児童書20周年にあたり、80を超える彼の短編から18作品をピックアップし、2冊の短編集として出版されるが、原田勝氏訳の本作は全体的にワイルドで骨太で男臭い面が際立っている。背筋がぞくっとする幽霊もの、吹雪のシーンがリアルなサバイバルもの(2作品あり。但し展開は異なるので、その違いを読み比べるのが面白い)、ユーモアと切なさが混在する男の友情もの、などなど。
どの作品も構成が素晴らしく、それぞれ魅力たっぷりなのだが、あえてお気に入りを挙げるなら「最後の遠乗り」かな。バイクでやんちゃする男子の無茶っぷりが鮮やかに描かれているが、バイク事故で息子を失ったウェストール、自身もバイク乗りらしかった原田氏の思い入れの深さも窺えて、ちょっと切なくなった。
ウェストール作品を読むたびいつもいつも思うけど、是非大人にも読んでほしい、特に男性には。彼のファンだという宮崎駿氏が時々表紙絵や帯文句を手掛けるようになってから、児童文学の枠を超えてファンの裾野が広がったかなとは思うのだが、もっと彼の作品のよさを知ってもらいたいのだ。
「うわべをとりつくろわず、現実から目を背けない強い意志を感じさせるところ」がウェストール作品の魅力だと原田氏は言う。私も心からそう思う。

レビュー投稿日
2014年11月19日
読了日
2014年11月19日
本棚登録日
2014年10月8日
4
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