あのころの、 (実業之日本社文庫)

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本棚登録 : 326
レビュー : 54
メイプルマフィンさん アンソロジー   読み終わった 

「女子高生」がテーマの青春アンソロジー。新進気鋭女性作家ばかりが参加してるとあって、青春を楽しむというより、単純に彼女らの競演に興味があって読んでみたのだが…
予想以上に心を持っていかれ、自分でも戸惑ってしまうほど。
甘い痛みに満ちた、10代後半の日々。全てとは言わないまでも、自分が過ごした「あのころ」に重なる部分を思い出し、切なさと恥ずかしさがごちゃまぜになった。幼くて、不器用故、自分と他人との距離の取り方がうまく掴めず、読んでいて痛々しかったけれど、もがきながらも心のどこかで、それが一過性のものと冷静に悟っている。それが、女子なのだなぁと。
どの作品も、少女らの微妙な心の動きの描写が本当にお見事で、さすが注目を集めるだけのことはあるよ皆様!
欲を言えば…もっと色々な女子高生の姿を読んでみたかったなという気もしたけど(たまたま?私立の高校や百合という点で設定が何作か被っていたが)それはそれで、読み比べるのも面白かった。
構成のうまさという点では、瀧羽さんの「ぱりぱり」が印象に残った。
百合は苦手だけど、ひりひりとした文章にひきこまれたのが、個人的に注目している彩瀬さん。
吉野さんは、今回の作家の中で一番作品を読んでいるので、私小説的な内容で、彼女の歩みを知ることができたようでちょっと嬉しかった。
男性には理解しにくい点が多々あるだろうが、女性には是非読んでほしいかな。特に、アラフォーの女性。過去の自分に思いを馳せると同時に、登場人物の母親にも結構共感してしまう。世代によって、色々な捉え方のできる一冊かも。

レビュー投稿日
2012年6月4日
読了日
2012年6月4日
本棚登録日
2012年5月5日
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