東京23区を擬人化とは、発想が斬新!新聞連載ということで一話一話が短いながらよくまとまっており、とても読み易かった。それぞれの区の特徴を実にうまく捉えており、あ、この区ってこんな顔も持っていたのか…と今更ながら知ることが出来た。区の歴史、印象に残る人物や出来事など語られるテーマは様々で、読み進めるにつれ、「〇〇区なら、このネタかな?」と予想してみたり。意外なところを持ってきたな!と、予想を裏切られるのもまた楽しかったりして。
中野区(ブロードウェイ)、板橋区(高島平団地)など、ああなるほどねというところから、練馬区(大泉サロン)杉並区(石井桃子)と、あえてそこを取り上げてくれるのねという嬉しさ、豊島区(ハヤフサヒデト)、荒川区(岩淵水門)など、今回初めて知ることもあり、改めて東京の面白さを知ることが出来た気がする。番外編の武蔵野市、東京の誕生も興味深く読みました。
ユーモラスな語り口ながら、そこはかとなく漂うノスタルジー。それが胸をぎゅっと締め付けて、時々じわっとくる。過去を懐かしみながらも未来に思いを馳せるそれぞれの区の想い。今度上京する時には、区のつぶやきに耳を傾けてみようと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の作家
- 感想投稿日 : 2016年2月14日
- 読了日 : 2016年2月14日
- 本棚登録日 : 2016年2月2日
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