昔、教科書に載っていた短編がとても心に染み入るもので、いつか杉みき子さんの「小さな雪の町の物語」を読みたいと思っていた。できれば冬に読みたいかなと思っていたが、先日図書館で「杉みき子選集」の存在を知る。その「選集3」には、読みたいと思っていた上記の作品プラス「小さな町の風景」も収録!活字も大きくて読みやすいので早速手にしてみた。
雪深い新潟が舞台ではあるけれど、冬のみならずそれぞれの季節の美しい場面が切り取られている。幻想的で、ノスタルジックで、リリカルで、時々切なくて、短い中にきれいな起承転結。心あたたまる展開が多い中、とりわけ印象的だったのは「小さな雪の町の物語」収録の「マンドレークの声」。人のいなくなった集落を描いた作品だが、心のざわつく、妙に考えさせられるものだった。杉みき子さん、もっと広く読まれるべき作家さんじゃないだろうか!今回は選集として出合い、一冊で二作品堪能できたが、本来別々に発売されているそれぞれの作品も、豊富な挿絵を楽しみながら別の機会に読みたいと思っている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本・児童文学・YA
- 感想投稿日 : 2024年8月9日
- 読了日 : 2024年8月8日
- 本棚登録日 : 2024年8月7日
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