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フォロー・ミー【Blu-ray】
- キャロル・リード
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キャロル・リード監督の遺作で65歳ぐらいの時に作られた作品なのに乙女が好みそうな可愛いラブストーリー。作風もそれまでのとは違う感じが。どういう心境だったのだろうか。 主人公の堅物役男優が監督と似た雰囲気なのも面白い。
2012年10月15日
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エクスペリメント [DVD]
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米スタンフォード大学で1971年に実施された監獄実験を元にした作品。実際の実験では24人の中産階級出身の男子大学生を日給15ドルで雇い、2週間の予定で、刑務官と被収容者とに分かれての模擬監獄実験を実施したが、刑務官役の学生たちの暴力などで、6日目で実験中止を余儀なくされている。刑務官役は夜中なら監視カメラが作動していないだろうと思い、その間に被収容者役に対する虐待をエスカレートさせたという。一方、被収容者役も屈辱的な扱いを受け混乱した行動を取っている。ある被収容者役があまりの待遇のひどさに、外に出せとハンガーストライキに及んだ末に独房に入れられた際、刑務官役が他の被収容者役に対し、その日はブランケットを放棄すれば独房の彼を外に出してやると言ったところ、ほとんど者がブランケットの方を選んだという。
実験の主催者によると、実験の目的は、規範形成を理解し、役割や地位、社会の期待が与える効果を知ることという。そして、最も重要な結論としては、「ごっこ」があまりにも本物らしくなり、中止しなくてはならないほどにまで刑務官役の虐待ぶりが暴走してしまったということだとしている。http://www.prisonexp.org/psychology/3
この実験については実際の刑事施設よりも残酷な設定にしてあるとか倫理面や方法論的な批判も多いらしい。個人的にも素人ながらいろいろ不思議に思うことがあった。通常は刑務官と被収容者が少数対多数で力関係のバランスが取れているところを実験ではなぜほぼ同数としているのかとか、なぜ女囚ものはないのかとか、24人の精子の濃い男子学生たちを2週間も密室に閉じ込めると決めた時点で役割分担以前に暴力的な結論を誘導していたのではないかとか、私なら刑務官役も被収容者役も同じ日給15ドルというのは不公平だから被収容者役は18ドルに値上げしろと実験前の段階で大いにゴネたいところだが、健全な値決め機能が働いていないところで何か学問に対する奉仕の精神みたいな感じで学生らに実験に参加させたことも成り行きや結論に影響を与えたのではないかとか。
面白いのは刑務官役の一人のデイブ氏が昨年、40年ぶりのインタビューに答え、
「(実験の)1日目が終わっても、特にこれといったことは起こっていなかった。少々退屈だったので、私は残虐非道な看守役をやってやろうと心に決めた」と述べており、何も起こらなければ実験は失敗だなと考えていた主催者の意を汲むようにして、盛り上がらない宴会を盛り上げるようなサービス精神でもって、役割に没入したのではないかと思われる節があった。
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-14564182
映画の方は実際の実験を大枠で踏襲しているが、際物っぽさとか暴力、残酷性をより強調しており、あまり楽しい映画ではなかった。
2人の屈強な男に吹雪で外にも出られない人里離れた館に閉じ込められ。。。というならフツーだけれど、呆け老人みたいなヘッポコ2人組に同シチュエーションで怖い思いをさせられるというのが、倒錯的で面白かった。
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クイズ・ショウ [DVD]
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米NBCの人気クイズ番組「21」で1950年代後半に起きた八百長問題に題材を取った作品。勝ち残り式のクイズ番組で、毛並みの良いイケメン(レイフ・ファインズ)を勝ち残らせて視聴率を稼ぐため、イケメンをそそのかし、クイズの答えを教えたり、他の出演者に対しては、イケメン対戦でわざと負けるよう要請などしていたというもの。
若い捜査官が調査に乗り出し、八百長の証拠を掴むが、当時はクイズ番組における八百長を違法とする法律がなかったため、案の定、問題の末端であるイケメンと外部プロダクションが社会的制裁を受けただけで、NBC本体と、八百長を促したクライアントについては不問に付されたということ。ただ、この事件の後でクイズ番組の八百長を罰する法律が立法化され、高額賞金のクイズ番組が減ったらしい。そういえばアメリカはクイズ番組少ないなという印象を持っていたのだけれど、この件と関連があるのかな。ただ、基本的に誰が損するというわけでもないし(対戦相手もしぶしぶ同意)、娯楽番組で楽しませているわけで、視聴者もジョン・タトゥーロよりレイフ・ファインズを長く見ていたいし、アイゼンハワー大統領はとても怒ったらしいが、誰のどういう法的利益を守るために罰が正当化されるのかと考えると面白い。
父親と叔父がピューリッツァー賞受賞者という軽率なイケメンと、家名に泥を塗られた一族が一番割りを食って気の毒だったけれど、教授職を解かれたイケメンは百科事典の編纂者とな
り、そちらの方がよほど性に合っていると後日語っていたりして、予定調和な八百長追求ドラマよりも、こちらの人間ドラマに焦点を当てたほうが深い話になったような。でも面白かった。
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12人の怒れる男 [DVD]
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なんと無駄口の多いオヤジたちよ! と呆れていたが、延々と続く無駄口の中から徐々に少しずつ真実が明らかになっていくというのはすごく上手いと思うしロシア作品らしい。が、私はスマートなアメリカ版の方がストレスがたまらない。
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英雄の条件 [DVD]
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イエメンの米国大使館を取り囲んでいたデモ隊が暴徒化し、大使館を防衛していた米海兵隊員に向け発砲するに及んで、海兵隊側も積極的に応戦。デモ隊に向け一斉射撃し、イエメン側に83人の死者を出すこととなった。デモに参加していた老若男女の市民はイスラム教原理主義テロ組織の構成員だったのだが、米国務省は面倒な国際問題に発展するのを恐れ、現場の海兵隊指揮官(サミュエルLジャクソン)が、頭がおかしくなって暴走し、職務権限を著しく逸脱した「殺人行為」をしたということにして、軍事裁判にかけて有罪にしてしまおうと目論むという話。2000年公開作品。
公開当時はイエメン市民の描写が差別的だとして、アラブ関連団体はもとより米国内でも批判を受けたらしい。今見るからかもしれないけれど、映画だしこんなものじゃないかという印象。そういえばロシアは米帝にずいぶんと「差別的」な映画を作られているが、いちいち文句言ったりしているのだろうか。それともお互い様、もしくは映画の長い伝統のある国として文化的に寛容だったりするのだろうか、あるいは悪役を楽しんでいるのかも。そもそも差別は良くないことだと知っているのだろうか。
作品自体は、これからが法廷闘争のクライマックス、というところで、唐突に終って後日談はテロップ処理するという、やや手抜きみたいな映画だった。戦闘における判断の難しさなどはよく描けていたと思う。原作は民主党上院議員で海兵隊出身のJim Webb氏によるもので、同氏は最近もWSJでアジアの海域の領有権問題について、米国が中国に対し国際規範を守るべきとの立場をはっきり示さない限り、中国の増長は避けられないとの見解を示している。
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444184704577587483914661256.html
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彼女が消えた浜辺 [DVD]
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- 角川映画 / 2011年4月21日発売
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ネタバレ。イラン人の既婚、未婚の男女6人が子供も交えて海辺に3泊の旅行に出かける。楽しい時間もつかの間、事態は突如暗転する。2日目のこと、海辺で子供たちと遊んでいたエリが姿を消したのだ。海に溺れたのか、それとも
失踪したのか。
問題は、エリは婚約中だったということだ。婚約解消を望んでいたエリは、別の独身男性に引き合わされることを承知で、婚約者に内緒でこの旅行に参加していた。婚約者にどのように事情を説明するのか。コーランに誓って真実を話せばエリ以外の人たちがとばっちりを食らう騒動となり、嘘をつけばエリの名誉を傷つけるかもしれない。混乱の中、仲良しグループのお互いの人間性の嫌な部分があからさまになっていく、という話。
イスラム教的には婚約中の女性が交際の意図をもって他の男性と接触を図った場合、姦通罪とかそれに準じるような罪になるのかとか、裏切られた婚約者は精神的損害や名誉を回復するため決闘の申し込みとか何かバイオレントな手段に訴えたりするのかとか、個人的にこの問題が現代のイラン社会的にどの程度深刻なことなのかよく分からず、背景にもっと理解があればさらに面白かったかもしれない。
このあとの作品の「別離」でも、コーランと嘘と真実というのが大きなテーマとなっている。特に女性が社会的な要請もあって、やむにやまれずつく嘘、というのに監督は関心を持っている感じ。
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アリス・クリードの失踪 [DVD]
- J・ブレイクソン
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令嬢誘拐事件。すごく頭のキレる人が作ったんだなあという映画。1分後の展開が予想できない。
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ラブ&ドラッグ [Blu-ray]
- エドワード・ズウィック
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若年性パーキンソン病の女性(アン・ハサウェイ)と製薬会社のMRでバイアグラ販売で大成功するチャラ男(ジェイク・ジレンホール)のラブコメ。病院と製薬会社の甘い関係、アルツハイマー患者の苦難、バイアグラの創成期、難病のラブ、お笑い、と、それぞれ独立のテーマで成り立ちそうな話題が詰め込まれており、何だかせわしなかった。ただ、嫌味のない性格の良さそうな映画だし、何よりジェイキー&アンが美しい裸体を盛大に披露しており、人間は裸で生まれてきたんだなあと童心に戻ることができる。個人的には、ジェイキーの弟役のキム・ジョンイル似の人(ジョシュ・ギャッド)がとても笑えた。
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アンコール・ワット 大伽藍と文明の謎 (講談社現代新書)
- 石沢良昭
- 講談社 / 1996年3月1日発売
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アンコール朝崩壊の原因として、周辺地域も含め開発が飽和状態となったのに加え、長い年月をかけて水路や貯水池に堆積した沈殿物により水利系統が崩壊したためという点が興味深かった。
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肩こり・腰痛は足の「浮き指」が原因だった!
- 笠原巖
- さくら舎 / 2012年8月1日発売
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最近話題の先生。浮き指や外反母趾などが原因で足裏の重心がかかとに寄り不安定になると、肩こりや腰痛、首コリ、その他様々な体の不調を引き起こすことになるということから、テーピングなどを利用した足首から下の矯正を提唱している。私の場合はやや外反母趾気味で、若干腰痛と首コリがあるのだけれど、テーピング治療は6カ月ほど必要と言われた。テーピングの巻き方は、一度実演を見せてもらえばそれ程難しくないので、通院しなくても自分でできそう。実験みたいで楽しいし。ただ、夏は素足にテープ目立って恥ずかしい。ちゃんと続けられるか、また効果はあるのかはまだ不明。
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ハーフ・ザ・スカイ 彼女たちが世界の希望に変わるまで
- ニコラス・D.クリストフ
- 英治出版 / 2010年10月13日発売
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発展途上国における両性の不平等による女性への様々な虐待について。詳細な事例調査とともに、現在取られている対策や展望についても多数。前半部に出てくる東南アジアの人身売買やインドの花嫁焼殺(2時間に1件発生)辺りで十分酷いのだが、アフリカ、中近東になると読み飛ばしたくなるぐらいおぞましい。ただ、そのような中でも貧しいがやる気のある女性たちに地道に援助を続けることによって、少しずつだが変化の兆しはあるという実例も多数。著者が米国人なので、援助の主体も主に米国のことに限られているが、世界各地で様々に違う女性差別や虐待のあり方に対し、本当によく取材をしていると思った。面白かったのはアフリカで最も費用対効果の高いAIDS対策は、禁欲主義教育でもコンドームを配ることでもなく、10代の女の子に年上の男性(シュガー・パパ)は少年たちよりHIV陽性率が高く、コンドームも使いたがらないため危険だということを教えることだったという。
また、女性が財産、選挙権を持つことの重要性は単に理念的な平等に関連するだけでなく、妊産婦死亡率を引き下げたり、子供のケアや公衆衛生により多くの金を使うことになるというデータがあり、人命尊重の点から重視されるべきとの指摘。
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哀しき獣 ディレクターズ・エディション [Blu-ray]
- ナ・ホンジン
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原題は「黄海」で、延辺の朝鮮族男性(ハ・ジョンウ)が訳あって韓国で、ある一人の男を殺す仕事を請け負うが、謀略、浅慮、早とちり、勘違いなどが交錯し、双方こんなはずじゃなかったというような朝鮮族と韓国人の一大殺し合い絵巻となって大量殺戮のラストを迎える。。。
映画としてなかなか面白くはあったのだけれど、朝鮮族の描き方がケダモノそのもので、いいのか?と思った。文句言ってこない相手だからいいでしょという気配も。よく知らない人が観たら、朝鮮族とは中国の山奥の猿人だと思うことだろう。韓国内の朝鮮族差別や中国社会における朝鮮族の立場が上手く描かれている一方、製作者自身の偏見も大胆表明している。
2012年8月20日
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アドリブ・ナイト [DVD]
- イ・ユンギ
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「素晴らしい一日」のイ・ユンギ監督作品。「素晴らしい」同様、日本の作家平安寿子の短編を映画化。可愛い女の子(ハン・ヒョジュ)が路上で男性たちにあることを頼まれる。危篤状態にある叔父の、何年も前に家出した娘のふりをして、叔父が安らかに成仏できるようにさせて欲しいというのだ。ハンはその娘にそっくりだという。ハンは迷いながらも承諾し、叔父の家がある郊外へと向かう。
叔父の家に着くと既に親戚たちが集まっているが、これが何とも言えない無神経な下世話ファミリーで、優しくておとなしいハンが居心地の悪い思いをするのが、家出娘が一族の中で感じてたであろう具合の悪さと重なり、不在の娘の家に対する愛憎を観客も感じることができる。また、ハンが実は当の家出娘なのではないだろうかと思わせるサスペンスな感じもある。個人的には、下世話ファミリーを韓国の典型、家出娘やハンをそこに馴染めない人々という風にも取れ、面白かった。
日本の小説を映画化したとは思えないぐらいうまく韓国風に消化できている。
2012年8月20日
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奴らを高く吊るせ! [DVD]
- テッド・ポスト
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時代背景など興味深い作品。1889年オクラホマ準州の話とされているが、同準州は1890年以降の成立らしい。連邦に組み込まれる前の過渡期の土地における私刑と司法制度が対照的に面白く描かれている。実際にはどのような状況だったのか知りたくなった。
元保安官の牧童クーパー(クリント・イーストウッド)がやってもいない牛泥棒の嫌疑で男たちからリンチされ木に吊るされるが、間一髪で命拾いし、準州で絶対的な司法権力を持つ判事の下で保安官として働くことになる。クーパーを吊るした男たちは鍛冶屋や牧場主など地域でも信用されている人が多い。クーパーは彼らを捕まえて法の下で裁かせようとする。ただ、比較的軽微な罪の者や16歳の子供まで簡単な裁判と判事のほぼ独断で絞首刑にされ、刑の執行場には正義を求める多数の興奮した人々がつめかけ、お菓子やビール売りまで出てくるという有様を目の当たりにし、制度に対する疑問がつのっていく。。。判事は首吊り判事と呼ばれたアイザック・パーカーがモデルとされているらしい。
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素晴らしい一日 [DVD]
- イ・ユンギ
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ほのぼのとした暖かいものが心に残る良品。
婚約者が失業し、自身も婚約退職したため職がないまま破談となった女性(チョン・ドヨン)。切羽詰まった彼女は婚約者の前に付き合っていた元カレ(ハ・ジョンウ)を訪ね、貸した350万ウォン(24万円ぐらい)をすぐに返せと迫る。しかし元カレも事業に失敗し親の財産まで使い果たして破産しており、手持ちがない。知り合いの女性たちから借りて返すと言う。そこでチョン・ドヨンが車を運転し、彼と一緒に貸し手の女性たちを一人一人訪ねてお願いして回るという一日の話。お金を貸す女性たちも必ずしも楽な暮らしをしているわけではないが、親切で人のいいハ・ジョンウのため友人として少額でも工面する様子を見ながら、チョン・ドヨンは自分が振った当時は見えていなかった彼の良さに気付いていく。
ハ・ジョンウのボケとチョン・ドヨンのトゲトゲしいツッコミという夫婦漫才の雰囲気もあり、演技派の両俳優の力量で、抑揚のないストーリーだけれど最後まで楽しめる。ただ、実際お坊ちゃんのハ・ジョンウの鷹揚な個性がなかったら成立し難い映画だったかも。日本の小説が原作だそうだが、ハ・ジョンウのセーフティーネットの構築方法や夢さえあれば明るく元気に生きていけるところなどはとても韓国的という感じがした。
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暗殺者のメロディ [DVD]
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役者陣が素晴らしく、その持ち味を生かしたロージー監督もすごいと思った。リチャード・バートンは、一瞬本人?と思うほどトロツキーで、アラン・ドロンはこの暗く華のある人が出ていなかったらこういう撮り方はしなかっただろうと思わせるウットリシーンがいくつもあり、ロミー・シュナイダーも二流の革命夫人をうまく演じたり、トロツキーの奥さん役の人も地味だけど印象に残る。本物ばかりを集めて作った感じの映画。
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食べて、祈って、恋をして ダブル・フィーチャーズ・エディション [DVD]
- ライアン・マーフィー
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前夫との醜い離婚協議を終えた30代のニューヨーカーが、人生を見つめ直す旅に出る。イタリアで食を通し忘れかけていた生きる喜びと活力を得て、インドでは瞑想体験をしながら、内心の平和を求める人々と交流をする、そしてバリ島で主人公同様に愛に傷ついた男性と出会い、真実の愛を見つける。。。
という感じが製作者の意図するところだろうとはよく分かるのだが、個人的には再び自由の身になったキャリア女性が1年間の気晴らし旅行に出かけ、イタリアではジーンズのサイズが変わるまでパスタを食べまくり、インドで瞑想の真似事をしながらちょっと絞って、バリ島でセクシーブラジリアンとセックスしまくるというかなり品のない作品にしか見えず、それは本当にそうなのか、それとも私の心の目が濁っているのか、悩ましい映画だった。これからは鑑賞者を迷わせないような作品を選んで見ようと決める記念日。
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ジャーヘッド プレミアム・エディション [DVD]
- サム・メンデス
- ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン / -
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結局、兵士とは広い意味でバカか気の毒な人の2カテゴリーに分類されるのではないかと思った。
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李鴻章 東アジアの近代 (岩波新書)
- 岡本隆司
- 岩波書店 / 2011年11月18日発売
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動乱の清朝末の大政治家で、日清戦争後の講和条約の全権大使をはじめ、この時期のほぼ全ての対外交渉に関わり欧米列強からは「世界稀有の一大人物」とも称されたという李鴻章について。時代背景を丹念に書き込みながらも論点がすっきり整理されており、著者の語りの巧さとともに読ませる本だけれど、どちらかというと人物そのものよりも国内外情勢を中心に描いている。列強の進出により清国が直面した近代的な国際関係と、従来の朝貢関係との折り合いの付け方を、攘夷•排外が優勢だった国内的な要請、中間集団の勢力拡大への対応などとといったこととともに詳しく説明している。
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CIA秘録 その誕生から今日まで (上) (文春文庫)
- ティム・ワイナー
- 文藝春秋 / 2011年8月4日発売
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米国ってもう少し戦略的かと思っていたけれど、少なくともCIAの活動に関してはかなり無謀で行き当たりばったりでびっくりした。読んだのは上巻のみだが、いっそCIAを無くしてオープンな情報の分析活動に特化した方がよほど効率良さそう。
「われわれはOSSの足跡を追いかけていた」とグレッグは言う。「しかしわれわれの対抗しようとした相手のほうが完全に状況を把握していた。われわれは自分たちが何をしているのか、分かっていなかった。上司に任務は何かと尋ねたが、答えは無かった。彼らも任務が何か知らなかったのだ。最悪の種類の空いばりだった。朝鮮人や中国人、そのほかたくさんのおかしな人たちを訓練し、朝鮮人を北朝鮮に落とし、中国人を北朝鮮との国境のすぐ北側の中国領に落としていた。落とし続けたけれど、彼らから連絡はなかった」
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無ケーカクの命中男/ノックトアップ [DVD]
- ジャド・アパトー
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若く美人で仕事も上り調子のキャスター(キャサリン•ハイグル)が、カナダ人不法滞在者で子供の頃の交通事故の怪我への社会保障かなにかで生活できるため、働かずに葉っぱを吸ったり変なウェブサイト作ったりしてのびのび遊び暮しているセス•ローゲン(デブちん)とクラブで知り合い泥酔したまま寝て、子供ができてしまうが、この別に好きでもないダメンズの子供を産むことを決意するというどたばたコメディ。
フェミニストのハイグル女史は主演にもかかわらず本作が女性蔑視だと思い出し怒りしているらしいが、女性蔑視というよりは、女性よりもデブちんと怠け者の自然権をより重視する方針の作品という感じがした。批評家賞とか取っているけれど、米国ではそういう流れなのだろうか。
What a bunch of pigs they are!!
http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2012/06/daily-chart-11?scode=3d26b0b17065c2cf29c06c010184c684
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長生きの決め手は「酵素」にあった (KAWADE夢新書)
- 鶴見隆史
- 河出書房新社 / 2007年1月26日発売
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「すべての病気の原因が消化不良にある」とし、消化をきちんと行うには消化酵素が必要で、体内で生み出される潜在酵素のほか外部から摂り込む食物酵素も重要だという本。私もジューサーで酵素たっぷりの生絞りの野菜果物ジュースを朝にたくさん飲んでいるけれど、正直特に健康に良いと実感したとかいうことはない。でも美味しいし、健康維持のお守りみたいな感覚で飲んでいる。
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心がポジティブに穏やかになる本
- ウィリアム・レーネン
- マキノ出版 / 2011年11月15日発売
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10年に一度ぐらいは人間として反省しようと思いアマゾンで注文してみたけれど、読んではいけないものを読んでしまったような気分になった。「過去世ジャーナルをつくろう」「エネルギーを補給するピュアウォーター」「スピリットとコミュニケーションを取ろう」「東日本大震災は地球の成長であり、浄化です」など。著者の過去世は犬で、だから身体の不自由な犬を助ける活動をしたりしているらしい。私の知人の陰気なおじさんは過去世が川底の石だったそうだが、その場合はどういう手当てをすれば来世に良いカルマが巡ってくるのだろうか。HPを見ると著者が日本語と韓国語でしか本を出していないようなのも不思議だった。でも念のためオーラを広げるエクササイズはやってみた。