第二次大戦の影響が色濃く残っているレニングラードで、猟奇的に殺された5人の遺体が発見される。警部補のロッセルが捜査に当たるが、いつどんな罪で国家保安省に連れ去られるか分からない社会の中でなかなか進展しない。だが粘り強く進めていくと驚愕の事実が分かってくる。それは元ヴァイオリニストであった彼の過去とつながるものだった。
なかなか強烈な印象の犯人だけど、戦争で極度に悲惨な経験をした人々がさらにひどく抑圧されている社会では、どんな怪物が生まれてもおかしくない。主人公の生い立ちや体験、人々の暮らし等が生き生きと描かれていて話にのめり込んでしまった。是非続きがあるなら読みたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー(海外)
- 感想投稿日 : 2021年9月14日
- 読了日 : 2021年9月13日
- 本棚登録日 : 2021年4月14日
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