アパルトヘイトの時代から続く南アフリカのある白人家族の軌跡の物語。「約束」とは、彼らに仕える家政婦の黒人女性に、彼女が住まわせてもらってるあばら屋を与えること。彼女に世話になった白人家族の母親が今際の際に夫にその事を約束させたのだが、その約束は果たされない。唯一約束を果たすことを主張する末の妹は、家族の誰からも省みられず家族からは距離を置くようになる。他の家族や親族は、皆俗物で自己中でどこか壊れているように思える。自由奔放な語り口で深刻にはならないが、読んでいて薄ら寒い印象を覚えた。弱い立場の人を献身的に救うけど自分の幸福は全く求めない末の妹が、家族の犠牲になったのだろうか。読後も考えがまとまらない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2024年8月2日
- 読了日 : 2024年8月2日
- 本棚登録日 : 2024年7月20日
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