Twitterで川上未映子さんが、大森静佳さんの新刊歌集を絶賛されているのをみかけて。
こちらはデビュー作。ひとつひとつの言葉の選び方が鋭くて、一瞬の永遠が鮮やかに切り取られていて好き、と思った。
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途切れない小雨のような喫茶店
会おうとしなければ会えないのだと
とどまっていたかっただけ風の日の
君の視界に身じろぎもせず
夕空が鳥をしずかに吸うように
君の言葉をいま聞いている
この夏は針となり降る蝉の声
忘れたくないことを忘れずにいる
あとがきのように寂しいひつじ雲
見上げてきみのそばにいる夏
手花火を終えてバケツの重さかな
もうこんなにも時間が重い
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月17日
- 読了日 : 2020年7月17日
- 本棚登録日 : 2020年7月17日
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